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アップルの第一世代Airpodsが2016年にリリースされると、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)ブームが巻き起こり、イヤホンはスマホの付属品から独立したスマートデバイスへと変貌を遂げた。Amazonやマイクロソフト、ファーウェイ、シャオミ(小米科技)などが次々と参入し、TWS市場は急速に拡大、市場調査会社Counterpoint Researchによると、TWS市場は2019年が拡大のピークで、16~20年の5年間で世界の出荷量は25倍にも膨れ上がった。
「訊飛未来智能(iFLYBUDS)」はAI音声認識分野最大手の「iFLYTEK(科大訊飛)」からインキュベートされた企業で、AIを利用したインタラクティブデバイスを開発する。同社のCEOである馬嘯氏は、TWS市場はこの期間に急拡大し、マーケット構造、プレイヤーも大きく変わり、従来とは全く違うものになったと語る。
馬氏は、この時期に市場は大きく二つに分かれたと指摘する。ひとつは、利益率が高く市場の成長は確実としてTWSに真剣に取り組むようになったスマホメーカーの製品だ。もう一方はノーブランドのTWS。多くのメーカーが技術を磨きコストパフォーマンスが高い製品を提供したことで、一時は市場の半分を占めた。
しかし21年になるとブームは徐々に沈静化し始め、1年間に市場の伸び率は24%にまで縮小した。5年間大いに沸いたTWS市場は今、どのように差別化するかという課題を抱えている。
訊飛未来智能は今年5月、オフィスシーンでの打ち合わせ用として、会議用イヤホン「iFLYBUD Pro」を定価899元(約18000円)で発売した。弁護士や金融市場のアナリスト、投資家、記者など打ち合わせが多くモバイル業務の必要性が高いユーザーをターゲットにした。
iFLYBUD Proの最大のセールスポイントは、あらゆる場面で利用可能という点だ。電話、スマートフォン、会議専用ソフトウエアなどの打ち合わせで、イヤホンでの通話と同時に録音、文字起こしをする。
連続使用能力も大きく向上した。iFLYBUD Proは連続使用時間50時間、通話時間は最長7.5時間になる。イヤホンとして使用するだけでなく、デスクに置いてICレコーダー代わりにも使える。
コロナ禍の影響でリモートワークは常態化している。頻繁に打ち合わせをする人なら、1日で7回、8回も当たり前だ。中国には4億人ものホワイトカラーがいて、テンセント(騰訊)のビデオ会議プラットフォーム「騰訊会議(Tencent Meeting)」のユーザーだけでも2億人と相当に数になる、と馬氏は述べた。
打ち合わせ用という機能を足掛かりに、今後応用場面を広げる。SF映画に登場する「AIアシスタント」、例えば米国映画「アイアンマン」で主人公の相棒役だった人工知能ジャービス(J.A.R.V.I.S)の姿が、馬氏の考える未来のイヤホンの最終形だ。
イヤホンは自然言語音をやり取りする極めて普通の道具だが、人工知能の利用はユーザーが満足するレベルに至っていない。馬氏は「iFLYBUD Proはまず、記録、文字起こし、翻訳をサポートするアシスタントを目指す。人工知能に過度に依存せずに、機能を増やす垂直展開で小さくても優秀なデバイスにすることがスタートアップ企業にとって突破口になる。ユーザーが増えデータの蓄積が多くなればAIの精度が向上する」と語った。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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