企業のニーズはコスト削減よりもコンプライアンスやリスク回避

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目下、ハイテクノロジー、BtoB、インダストリアルインターネットなどの分野において、サービスや研究分析は、どれもコスト削減や収益源開拓などがセールスポイントになっている。しかし大量のデータを分析して分かったことは、中国で実際に利用されている有料サービスは優先度が高い順にコンプライアンス、リスク回避、能率アップ、コスト削減となっているようである、ということだ。

中国のサービスには主に政府機関向けのBtoG、事業者向けのBtoB、消費者向けのBtoCがあり、最新テクノロジーは一般的にこの順序で応用が進められる。

BtoBの分野では、近年多くの企業やサービスが「コストを削減して能率アップ」や「収益源の開拓と支出の節約」をセールスポイントにしている。しかし、現実にはコンプライアンスやリスク回避のためにサービスを導入するというケースの方が上回っているとみられる。そのため、テクノロジーを確かな収益につなげるには、コンプライアンスやリスク回避というユーザーニーズに訴える必要がある。

「コンプライアンス」とは、政府や組織の規定を遵守すること。「リスク回避」には責任リスクの回避や資産リスクの回避などが含まれる。責任リスクの回避とは、例えば商業施設内の水や空気を安全に保つことや、電力や空調などの事業者が重大事故の発生を防ぐことだ。また回避すべき資産リスクには、企業資産の盗難や情報システムのハッキング、生産ラインの停止などがある。これらのリスクが企業にもたらす影響は対策サービスを導入するコストを大きく上回るもので、関係する責任者のキャリアにも長く影を落とすことになる。

そもそもリスク回避のニーズは常に存在するもので、それを基盤にビジネスを行っているのが保険業界だ。そして今、保険業界がリスクを再評価するのを助け、業界の能率アップと収益源を図るため、テクノロジーを活用した「リスク定義」が新たなリスク回避のサービスとなっている。

実際のビジネスにおいて、コンプライアンスとリスク回避には密接な関係がある。「リスク回避」はたいてい不祥事が起こると意識されるようになる。その事件が重大なものであれば法令化されて、「リスク回避」から「コンプライアンス」に移行することもある。

もちろん財源の開拓やコスト削減も重要だ。とはいえ、最新テクノロジーやソリューションも、ユーザーの期待に100%応えることはできない。さらに財源の開拓やコスト削減などの効果は、時間が経過して初めて明らかになるため、営業に費やす時間やエネルギーも大きくなる。

コンプライアンス・リスク回避と財源開拓・コスト削減では実際のサービス形態も異なるようだ。コンプライアンスやリスク回避のニーズが大きいのは大企業が中心で、購入するサービスも自社向けにカスタマイズしたソリューションが多い。一方、財源開拓やコスト削減のニーズに対しては、カスタマイズ可能なサービスだけでなく、業界標準のソリューションも広く利用されると思われる。
(翻訳・畠中裕子)

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