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人気アプリ「TikTok」で知られる中国IT大手の字節跳動(バイトダンス)傘下で医療・ヘルスケア事業を手掛ける「小荷健康(Xiaohe Health)」がこのほど、産科・小児科病院などをチェーン展開する「北京美中宜和医療管理(集団)(Beijing Meizhong Yihe Medical Management(Group)」(以下、美中宜和)の全株式を取得した。
持ち株比率は、小荷健康が30.47%、傘下の「小荷健康(香港)(Xiaohe Health(Hong Kong))」が69.53%となる。
美中宜和は2006年に設立され、現在は産科・小児科病院7カ所、総合診療センター2カ所、産後ケアセンター5カ所を運営し、京津冀地域(北京市、天津市、河北省)、長江デルタ地域(上海市、江蘇省、浙江省など)、珠江デルタ地域(広東省広州市、深圳市など)の3地域をカバーしている。客単価の高さから、富裕層向けの「高級病院」と位置づけられている。
バイトダンスはこのところ、医療・ヘルスケア事業の展開を加速している。20年8月には、医学知識普及プラットフォーム「百科名医(Baikemy)」を5億元(約100億円)で買収し、完全子会社化した。
同年末には、 ヘルスケア事業を担う「極光部門」を設立し、小荷健康を統一ブランドとしてサービスを開始。患者向けアプリ「小荷」と医師向けアプリ「小荷医生」をリリースした。21年11月には、医療機器メーカー「小荷医療機械(海南)」を設立している。
中国では、オンライン医療・ヘルスケアが数千億元(数兆円)規模の市場を形成している。中国インターネット協会(ISC)がまとめたリポートによると、オンライン医療・ヘルスケア市場の規模は、20年が1961億元(約3兆8000億円)、21年が2831億元(約5兆5000億円)と年間50%近くの伸び率を示している。
この巨大市場に、IT大手各社の参入が相次いでいる。アリババ集団傘下の「阿里健康(アリヘルス)」と京東集団(JDドットコム)傘下の「京東健康(JDヘルス)」は相次いで上場を果たし、いずれもピーク時の時価総額は数千億香港ドル(数兆円)に上った。騰訊控股(テンセント)も、オンライン医療サービスの「微医(WeDoctor)」や美容整形情報プラットフォームの「新氧(So Young)」に出資するなど積極的な事業展開を進めている。
ただし、バイトダンスが医療・ヘルスケア分野でどのような方針を取るかは、現在のところはっきりしていない。同社は21年11月に組織再編を発表したが、医療・ヘルスケア事業が所属する事業部門についての言及はなかった。
(36Kr Japan編集部)
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