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FDA(アメリカ食品医薬品局)の新薬認可が近年増加し、中国でも政策支援を背景に新薬の承認申請が大幅に増加している。中国の医薬品審査評価センター(CDE)の新薬受理数、バイオ製品のIND(治験薬)も急増している。世界の医薬品売上高トップ100のうち、バイオ医薬品の占める割合はすでに低分子医薬品を上回る。米リサーチ・コンサルティング企業「フロスト&サリバン」のデータによると、中国のバイオ医薬品市場は2016年の1836億元(約3兆6700万円)から20年には3457億元(約6兆9000万円)に拡大し、年平均成長率は17.1%に上った。
医薬品受託サービス市場と医薬品市場は相互に作用しながら成長する。医薬品市場の急成長によりCDMO(医薬品開発・製造受託)サービスの需要が拡大され、同時に医薬品受託サービスは医薬品関連企業の開発加速、開発費用の低下、開発効率の向上をもたらしつつ、自らの競争力も向上させ、医薬品市場の成長が促される。世界のバイオ医薬品のCDMO市場は年平均成長率が20%を上回り、中国の高分子医薬品のCDMO市場の成長率は40%を維持している。CDMO産業はまさに成長期にあり、バイオ医薬品のCDMO産業は今後数年で急速に台頭するだろう。
こういう背景を受け、中国バイオ医薬品のCDMO(医薬品開発・製造受託)企業「智享生物(IntellectiveBio)」がシリーズCで5億元(約100億円)以上の資金を調達した。「高榕資本(Gaorong Capital)」と「清松資本(Qingsong Capital)」がリード・インベスターを、「富匯創投(Fuho Capital)」、「方正証券投資(Founder Securities Investment)」、「文華海滙(Win Harbor Capital)」などがコ・インベスターを務めた。
智享生物は2018年4月に設立され、高分子のバイオ製薬技術の開発と大規模製造受託分野に注力する。最先端の技術開発プラットフォームを構築し、コア技術、量産、事業化の総合力を備えた数少ないCDMO企業の一つだ。
同社はCDMOに関する7つの技術プラットフォームを運営する。GMP(製造管理・品質管理基準)に適合した生産、ADC(抗体薬物複合体、がん治療薬)、培養、細胞構築、ドラッガブル分析、ウイルス安全性検査、製剤開発のプラットフォームだ。それから、生産品目およびサービスはモノクローナル抗体、二重特異性抗体、ポリクローナル抗体、融合タンパク質、ワクチン、ADCなどに及ぶ。同社はADCを生産する、中国では数少ない企業の一つだ。智享生物はプラットフォーム化したモノクローナル抗体の生産技術を使って技術開発に要する時間を短縮し、三重特異性抗体の場合、分子の決定から200リットルのサンプル納品までわずか3カ月で完了する。また、プラットフォーム上の生産基材を使用することで基材の仕入れにかかる時間も短縮し、二重特異性抗体を細胞から納品するサンプルに移すのはわずか7週間だ。
創業者である李智CEOは「創業以来約100社と契約し、2021年の売上高は数億元(数十億円)、利益は数千万元(数億円)だった。今年は売上高が2倍以上に成長する見込みだ」と話す。
将来CDMO分野の競争で最も重要となるのは品質とコストの管理能力だ。李CEOは、智享生物の強みは3つあると述べる。「中国と米国市場で新薬承認申請の経験があり、技術プラットフォームが高度で一部の製品では顧客の技術のレベル向上を図ることができ、サプライチェーンも整っていることだ」。
智享生物の生産拠点は江蘇省蘇州市にあり、生産能力は2023年に22万リットルに拡大予定だという。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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