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中国菓子ブランド「于小菓(yuxiaoguo)」がプレシリーズAで「華耀資本(HORUS CAPITAL)」から2000万元(約3億3400万円)を調達し、評価額が1億2000万元(約20億円)となったことが分かった。調達した資金は市場やチャネルの開拓、新製品開発、人材獲得に充てるという。
于小菓は2018年初めに、芸術家、コレクター、デザイナーである于進江氏が創設した。初期には伝統文化の復興と中国菓子文化の進化からアプローチし、書籍「小点心 大文化(SMALL PASTRY GREAT CULTURE)」を出版した。その後も中国の伝統菓子を見つめ直し、斬新なデザインを加えて、ヘルシーで洗練された現代の中国菓子を作り出した。消費者向けの店舗販売と企業向け特注生産を並行して展開しており、売り上げの割合はほぼ半々だという。
創業者で董事長の于氏によれば、同社が今年開発する商品は50SKUに上るという。北京に直営店が2店舗あり、客単価は100~150元(約1670~2500円)で、1店舗当たり12カ月で採算が取れる見込みだ。
今年は直営店を10店舗に増やし、300~500店舗の販売代理店を展開する計画だ。既製品を販売する専門店スタイルだけでなく、製造販売や手作り体験、菓子文化の継承など新しい消費シーンを模索する体験型店舗も開設する。。「天猫(Tmall)」や「京東商城(JD.com)」、ミニプログラムなどでオンライン販売も行っている。
さらに今年は地方観光局などの政府機関と提携して、地元の観光資源を交えながら、伝統菓子の抜き型を展示した博物館などを建設し、各地の「ご当地みやげ」作りを行っていく。企業や政府との協業が順調に増加していることで、同社の販売収益の予測も右肩上がりだ。于進江氏が語ったところでは、2019年は大口顧客やブランド提携の受注額が5000万元(約8億3400万円)を超えるとみられ、年間販売額は1億元(約16億6900万円)を突破する見込みだという。
文化観光産業をアップグレードするには、文化を見つめ直すことが不可欠であり、その文化の担い手の一つが食品だ、と于進江氏は考える。豊かな文化を内包した日本の和菓子もそうだ。于小菓は食品と文化というバーティカル分野に特化したブランドとして、コト消費に重点を置いた商品開発やビジネスモデルを目指していく。
(翻訳・畠中裕子)
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