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アニメ制作会社「七霊石動画(Seven Stone Entertainment)」がシリーズA+で動画共有サイトの「ビリビリ動画(Bilibili)」から1000万元(約1億6000万円)規模の戦略的投資を受けたことがわかった。今回調達した資金は七霊石のオリジナルプロジェクトの制作及び、チームと生産能力の拡充に利用される。
これ以前にも七霊石はSNH48の運営元である「絲芭伝媒(Shanghai Star48 culture media group) 」からシリーズAで3000万元(約5億円)を調達している。エンジェルラウンドでは「上海盛万影视文化有限公司(Sova Entertainment)」からの資金を、プレシリーズAでは「晨曜資本(Chenyao Capital)」から1000万元(約1億6000万円)近い資金を調達済みであり、総額は数千万元(数億円)にものぼる。
七霊石CEOの葉偉氏は36Krの取材に対し、同社はビリビリとはずっと提携関係にあり、ビリビリが出資して独占放送することが決まっている製作中のアニメ「解葯」が年内に完成する予定だと明かした。将来的にも両者は「中国産アニメ」の分野でさらに提携していくという。
七霊石は龔震華氏が2011年に設立。主にオリジナルアニメの開発やアニメ制作などを行っている。設立初期にはスラムダンクや銀魂など300本近い日本アニメの制作にも関わった。
国内外のアニメーション脚本制作の投資に携わったことで、七霊石は豊富なアニメ制作技術やプロジェクト管理経験、海外エンターテインメントのリソースを蓄積してきた。2016年に中国アニメ制作に転向し、ここ数年では「騰訊視頻(テンセントビデオ)」や「新浪微漫画」などのプラットフォームで「鉄鴎」、「安菟」、「白夜玲瓏」などのアニメーション制作を大量に請け負っている。最近では、著作権を持つオリジナルアニメ脚本の開発と制作もスタートした。
七霊石の請負業務は順調だ。長期間の提携で得た信用と評価から、今年は複数の日本アニメ制作委員会に参加し、日本のアニメ会社の窓口業務を引き受けると同時に数十篇のアニメ制作を受注する計画があるという。
葉氏によると、今年のオリジナルアニメは「アイドル」、「SF」、「美少女」など市場ではあまり見られないカテゴリを中心に制作し、ターゲットは女性や青少年だという。日本の「ラブライブ!」をベンチマークし、騰訊視頻や絲芭伝媒と共同制作したアイドルアニメ「無限少女48」は今年第3四半期に完成予定で、騰訊視頻が独占放送するという。七霊石オリジナルアニメ「闘神姫」は今年中に完成予定で、2020年4月に日中両国で同時に放映される予定だ。
七霊石は日本の二次元アニメの量産化を進めており、生産能力は毎年200%増のペースで拡大している。2年余りの間に同社は10件以上の技術特許を取得し、20曲以上の著作権を取得した。また日本のトップクラスアニメと同レベルの「トゥーン・レンダリング」技術やロボットアニメ制作技術を独自に開発している。
こうしたイノベーションにより生産効率が大きく向上し、2年近くでプロジェクト粗利益は20%も向上した、と葉氏は語る。
今後はコンテンツ制作に重点を置き、長期的に優良コンテンツを制作するため知的財産権やコンテンツ改編、プラットフォームの宣伝、長期パートナーの確立に力を入れ、量産化能力の強化及び、オリジナルコンテンツの開発にも注力していくという。
現在、七霊石の売り上げは主にアニメ制作の請負業務から来ているが、事業構成の調整に従い、将来的には徐々にオリジナルアニメ制作や著作権、ライセンスから収入を得るようシフトしていくという。
(翻訳:山口幸子)
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