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シャオミ第2の成長曲線
2018年第2四半期から、スマホ事業に代わりIoTハードウェア事業がシャオミの売上高増加に最も大きく貢献している。2018年第4四半期にスマホ事業が失速すると、IoTハードウェア事業の売上高が全事業に占める割合も過去最高となった。
IoT事業の急成長により、シャオミのハードウェア事業の多元展開が可能となり、一つの事業が停滞することで企業全体が失速するという事態を回避できた。シャオミは絶えず新製品、新サービスを開発し続けており、これも単一のものに頼りすぎるリスクを分散する効果がある。また、各新製品、新サービスを重ね合わせることでIoT事業の売上高アップにつなげることができる。
現在、シャオミのIoT事業においては、スマートテレビ及びノートPC分野が最も大きな割合を占めている。さらに、2018年下半期以降、シャオミは大型家電市場にも進出しており、スマートエアコンやスマート洗濯・乾燥機を次々と発売している。もし、これらが売り上げを伸ばすことができれば、IoT事業に新たな成長分野が加わることになる。
激しい競争と少ない研究開発費
様々な業界から参入してくる競合他社と比べ、シャオミはIoT分野における先発優位性がある。早くからエコシステム戦略を開始していたため、2018年第4四半期時点で、シャオミのIoTプラットフォームに接続しているデバイス(スマホとノートPCを除く)は1.5億台以上、シャオミ関連アプリの月間アクティブアカウント数は2030万に達し、うち半数以上がシャオミ以外のスマホからの利用である。
早期から積み重ねてきた努力がすでに実を結んでいる一方、現在シャオミが直面しているのは、他社が続々と競争に加わってくる中で、いかに先行優位性のある分野でのシェアを維持し、いかに新たな製品分野で突破口を切り開くかという問題だ。
現在のところ、シャオミのIoT戦略の核心はやはり低価格にある。テレビでいうと、「Mi TV」の平均価格は2166元(約3万5000円)以下だ。中国の2018年平均販売価格の3121元(約5万円、データ元:データ分析会社AVC)より30%以上も低い。低価格で市場に切り込み、優位性を有する分野を活かして急速にシェアを増やしていく。これはかつてシャオミのスマートフォンが辿った道であり、現在エアコン、洗濯機、スマートロック、ワイヤレス掃除機等もこの市場戦略をコピーしている。
現在シャオミに足りないのは、革新的技術によりハイエンド市場で安定した地位を築く能力である。
その重要な要因の一つが、研究開発費不足だ。2018年度、シャオミの研究開発費は前年に比べ80%以上増加したが、前年の数字が小さいため、金額を見ても売上高研究開発費比率を見ても、競合他社に比べると弱い。また、シャオミの製品ラインは分散しているため、研究開発費が同時に複数の製品ラインのイノベーションに行き渡るかどうかは疑問である。
どこから金を捻出するか?
「粗利率の低いハードウェア事業で顧客をつかみ、粗利率の高いインターネットサービス事業で利益を出す」という戦略を続ければ、純利益が大規模な研究開発を支えきれないという苦境に陥るだろう。
どこから金を捻出するかという問題は、シャオミが競争の激しい市場で勝ち残るための重要な鍵となるだろう。
3月26日、シャオミが国際的な信用格付け取得を目指して動き出したとブルームバーグが報じた。これは、競争を勝ち抜くためには利益総額が少なすぎると感じたシャオミが、国際債券の発行を含む方法で積極的に資金調達して利益の不足をを補おうとしているためかもしれない。
幸いなことに、シャオミにはスマホ事業を立て直すのにまだ十分な時間がある。また、IoT関連の新製品、新サービスを増やすと同時に、IoT事業から派生するインターネットサービスの新たな利益創出モデルを模索することもできる。
(翻訳・桃紅柳緑)
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