中国でEV販売台数急伸 市場参入を狙う世界大手各社と新興国内メーカー

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中国では新エネルギー車に対する購入補助金政策が徐々に縮小している。それでも、世界のメーカー大手は中国EV市場の開拓に野心をたぎらせているようだ。

ガソリン車の衰退、EVの台頭

2018年、中国の自動車販売台数は前年比マイナス4.1%の2370万台だった。しかし、純電気自動車(BEV)とハイブリッド車(HV)はそれとは対照的に前年比60%と急増している。販売台数は全世界の半数近くを占める130万台だった。

近年、中国政府は新エネルギー車の購入者に対して最大5万元(約80万円)の補助金を支給してきたが、今年1月に補助額は約半額に縮小された。補助金政策自体が来年には終了する。

過去15年間、中国は国を挙げてEV産業の発展に注力してきた。その目的は都市部の排ガス削減と、将来性ある産業の後押しだ。こうした状況を鑑み、ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲン、日産といった世界的大手メーカーが中国市場向けのモデルをこぞって開発してきた。

彼らの強みは資金力や技術力だ。しかし、彼らに対抗する国内メーカーには経験という武器がある。BYD(比亜迪)や北京汽車集団(BAIC Group)といった地元ブランドは、すでに10年前から低価格のEVを市場へ投入している。

先月末に閉幕した上海モーターショーには、ゴージャスなSUVから価格1万ドル(約110万円)を切る軽自動車やコンパクトカーまで、数十車種にも上るEVが出展された。独フォルクスワーゲンのハーバート・ディエスCEOは、「一般消費者は2020年末までにEVを受け入れざるを得なくなる」と述べている。

EV戦争に強い中国メーカー

欧米市場の衰退に伴い、世界各社が注視しているのが、世界最大規模を誇る中国市場だ。

米GM傘下のビュイックは、上海モーターショーで初のBEV「VELITE 6」を発表した。シボレー・ボルトに採用されたハイブリッド技術を転用した製品だ。また、2025年までにEV50車種の発表を目指すフォルクスワーゲンは、コンセプトSUV「ID.ROOMZZ」を正式発表している。同車種は2021年から中国で量産を開始する予定だ。さらに、日産自動車は主に中国市場を想定した新型「シルフィ」を発表し、8月にも発売を予定している。

「こうしたEVの台頭は中国メーカー各社にとって、デメリットよりもメリットが上回る」と分析するのはUBSグループのアナリスト、ポール・ゴン氏だ。自動車のグローバル市場における中国企業のシェアは現段階では10%ほどに留まり、かつ低価格車種の販売が多くを占めるが、EVに限れば世界シェアの50%を握っている。その理由について、ゴン氏は「EVの開発・製造にいち早く着手したからだ」とする。

中国国内市場においては、前述の補助金政策や充電ステーションなどインフラの充実が追い風となった。中国国内には現在73万カ所以上の充電ステーションが設置され、他国を大幅に超える水準となっている。

自動車市場が世界的に冷え込む中で、EVは起死回生を図るのに必須の武器だ。

米フォード・モーターは、中国の新興メーカー「衆泰汽車(ZOTYE AUTO)」と合弁で新エネルギー車に特化した新会社を設立した。GMと上海汽車の合弁企業「上汽通用汽車(SAIC-GM)」は2020年までにEV9車種の発表を計画している。また、フォルクスワーゲンと江淮汽車の合弁企業「江淮大衆汽車(JAC-VOLKSWAGEN)」は昨年、量産型SUV「思皓(SOL)E20X」を発売している。独ダイムラーとBYDが共同設立した「騰勢汽車(DENZA)」も、2シリーズ目となる新車種を上海モーターショーに出展した。

EV戦争に強い中国メーカー

現在、EVの販売価格は一般車を上回っているが、将来的には維持費がさらに安くなると見込まれている。業界のあるアナリストは、「年間走行距離が1.6万キロを超えると、EVのほうがコスト安になる計算だ」とする。

また、メーカー各社も生産コストの圧縮に努めている。米テスラは昨年、上海に生産拠点を設立すると発表した。中国の民営大手「長城汽車(Great Wall Motors)」は昨年、補助金を差し引いた販売額を5万9800元(約97万円)に収めたコンパクトカーを発表している。

中国市場では、消費者の購買意欲も高まっている。UBSグループの最新の調査では、中国の消費者の71%が「EVの購買に興味がある」としている。これに対し、欧米市場で同じ回答をした消費者は20%以下にとどまっている。

※本記事はAP通信の既報を36Kr中国が再編集したものです。
(翻訳・愛玉)

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