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仲間とあるいは知らない人たちと交流するSNSは、中国ではテンセント(騰訊控股)のチャットアプリ「WeChat」「QQ」と摯文集団(Hello Group)のマッチングアプリ「陌陌(MOMO)」の寡占市場となっており、他のSNSが割って入るのは大変難しい状況にある。しかしメタバースの概念が登場し、SNS市場に変化が生じている。ユーザーはこれまでのような言語や画像、動画による交流だけでなく、アバターとなって、現実に並行するリアルタイムのオンラインバーチャル世界で他人と交流して知り合い、チャットしたり、互いの家を訪問したりする。
こうした新たな交流スタイルは、今後VRハードウエアと組み合わせてデバイスの境界を越えた交流となる可能性を秘めていることもあり、バーチャルSNSは現在大変な勢いで拡大している。
インターネット大手はすでにアバターによるSNSに注目している。バイドゥ(百度)のコミュニティサイト「百度貼吧」やメタバース空間「希壌」、テンセントのQQにあるアバター機能をアップグレードした「超級QQ秀」、アリババの着せ替えミニプログラム「淘宝人生」などが次々に発表され、TikTok中国版「抖音」もアバター作成アプリ「抖音仔仔」に続いてメタバース空間「抖音小窩」機能を打ち出した。
ショート動画はメタバースを育てる土壌となるか
抖音小窩は抖音仔仔で作るアバターのために用意されたバーチャル空間だ。ユーザーはアバターとなって自分専用の空間「小窩」を飾ったり、友人の小窩を訪問したりする。
飾りつけをするには、友人の小窩を訪問する、タスクを完了するといった方法で「エネルギー」を手に入れなくてはならない。動画の視聴とチャットがメインになっているため、顧客ロイヤルティを強化しインタラクティブな交流を促すという効果がある。
手に入れたエネルギーは各種のデコレーション用アイテムと交換して、好みに合わせて小窩を飾ることができる。アイテムによって価格は異なり、レアアイテムは価格が高くなる。このためユーザーはより多くのタスクに参加し、チャットを増やして多くのエネルギーを手に入れなくてはならない。
親密度を高めるため、アイテムを贈ったり受け取ったりすることができるようになっている。普通は知り合ったばかりの人に対してこのようなことはしないので、この遊び方は互いの関係が親密になっていることが基本だ。こうして見知らぬ人から知り合いに発展した関係は、アイテムを贈り合うことで、より親密度が高まる。
このほか、ユーザーは友人の小窩を訪問して「いいね」をしたり、小窩の画面に表示される抖音アカウントへの入口をクリックして動画を視聴することもできる。
ある抖音の関係者によると、抖音仔仔とそれに合わせて設定された抖音小窩は大変重視されており、特に抖音小窩はこの先も残っていく機能として、今後さらに多様な遊び方によりユーザー間のつながりを強化するという。
抖音で抖音仔仔に関連がある動画の視聴回数は7億回を超えた。ユーザーがこのバーチャルSNSに対して大変興味を持っていることがうかがえ、バーチャルSNSがショート動画プラットフォームの新たな突破口となるかどうかの重要な試金石となっている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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