売上高は過去最高を記録 レノボ、3年以内に中国No.1ハイテク企業を目指す

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4月18日、北京で開かれたレノボグループ(聯想集団)の決起集会で、楊元慶(Yang Yuanqing)会長兼CEOは、レノボの復活を宣言した。2018年、グループの年間総売上高が過去最高の500億ドル(約5兆6000億円)を突破し、株価は年間65%上昇し、ハンセン指数を70ポイント上回った。

2018年、レノボはPC事業で世界一に返り咲き、中国国内シェアは過去最高の39.1%に達した。800ドル(約9万円)以上のノートパソコンハイエンド市場で、レノボのThinkPadは初めてアップルを抜き前四半期にトップに立った。モバイル事業も好転し、モトローラ買収後グローバル市場で初の黒字転換を果たした。中国スマホ市場では、出荷台数がトップ10入り、伸び率は第1位を記録した。データセンター事業も高成長を維持している。

楊氏は新年度の目標売上高について、グループ全体の売上高は2桁の成長を維持し、最低でも50億ドル(約5600億円)増としたが、これはモトローラとIBM(PC部門)の買収金額に匹敵する規模だ。

その内訳は、PC事業が30億ドル(約3360億円)増、モバイル事業とデータセンター事業がそれぞれ10億ドル(約1120億円)増だという。

このほか、スマートデバイスの売り上げを5倍に、ソフトウェア定義型インフラストラクチャおよび業界のスマートソリューションの売り上げを2倍に、ソフトウェア・サービス事業の成長率を会社全体の成長率の2倍にするという4つの小目標を打ち出した。

2018年の四半期は業績好調が続き、市場シェアや利益面でも安定した結果を残せた。レノボの次のステップは、企業イメージの向上である。

決起集会でレノボは市場に「登山者(クライマー)」という企業イメージを発信した。これまで市場や消費者にとってレノボは単なる「PCメーカー」でしかなかったが、人間味に富んだ「クライマー」はこの硬質なイメージを払拭し、向上心のある不屈の精神を感じさせる。

楊氏は、スピーチの中で9回も「クライミング(山に登る)」という言葉を使い、以下のように語っている。

「この1年は株価や利益という点から見れば、過去最高という訳ではなかったが、レノボにとって最良の年であったことは間違いない。我々は今、これまで以上に高い山を登っている最中で、すでに1つ前の山の頂上の高さまで来た。しかも、これから登る道は明るく照らされている」

「レノボは決して満足しない。決して上に登る足を止めない」

「エベレストに登る道は1本だけではない。レノボはBAT(中国IT最大手Baidu百度公司、Alibaba阿里巴巴集団、Tencent腾讯を指す)になる必要はないし、BATもレノボにはなれない。」

メディアの取材を受けた際も、楊氏は「レノボはクライマーだ」と述べている。彼の言うクライマーとは、高く明確な目標を掲げ、不撓不屈の粘り強さを持つ人を指す。何年も谷底で苦しんだ後に再起に成功したレノボの道のりは、「クライマー」のイメージにも合うのだ。

一連のレノボのブランド戦略は、ファーウェイ(華為技術)を想起させる。

ファーウェイは豊富な企業イメージ作りに成功している。通信機器やスマホメーカーという業界イメージのほか、小さな民間企業から世界最大の通信機器ベンダー、世界第3のスマホブランドに成長した「奮闘者(ファイター)」という企業イメージが根付いた。また、企業内部でも「奮闘者本位」が提唱され、従業員は「奮闘者協定」に署名するという。

さらに、レノボはユーザーの口コミ、知名度、評価を向上させ、3年以内に中国のハイテク業界(BAT等のIT企業は除く)No.1ブランドを目指すという。喬健副総裁は「レノボはかつて中国ハイテク業界のNo.1ブランドだったが、ブランド価値が大きく下がってしまった。再びトップに立つことをKPI(重要業績評価指標)に設定している」と語った。
(翻訳・桃紅柳緑)

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