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近年、さまざまな業界でデジタル化やスマート化が進みつつあるが、生活に欠かせない食の分野ではスマート化が大きく遅れている。外食産業は手作業への依存度が高いため、中国国内ではチェーン展開が難しく、海外では人材不足が常態化している。この人材不足が飲食店のチェーン展開やグローバル展開を阻み、緻密な経営管理を難しくしているため、新たなビジネスモデルがなかなか実現しないのが現状だ。
「今後10年のうちに、世界の外食産業では調理ロボットが標準になり、これまでの概念を覆すような斬新な飲食シーンが生まれるだろう。テクノロジーを活用して、かつてない食事体験を提供することが、私たちの掲げるビジョンだ」と、調理ロボットのトータルサービスを提供する「不停科技(Botinkit)」を創業した陳鋭CEOは語る。
2021年に設立された不停科技は、外食産業に対する洞察と利用シーンへの理解を生かして、ロボット本体とコンテンツ(メニュー)を組み合わせた調理ロボットのトータルソリューションを開発、提供している。現在は国内市場に加え、北米、東南アジア、日本、シンガポールなどを中心としたグローバル市場に向けて、ハードウエアやソフトウエア製品を提供する。
不停科技が開発した「BOTIN Robot」は、正確なクローズドループ制御、料理学習・再現システム、調理補助SaaSシステムを集約したオールインワンの調理ロボットだ。スマート温度管理機能や16種類の調味料自動投入機能を備え、調理中の温度や調味料の分量やタイミングを緻密に制御し、異なる環境や食材にも適応できる。
なかでも、料理学習・再現システムは不停科技が独自に開発したアルゴリズムを採用し、どんなレシピでもデジタル化して再現できる。シェフの技術や味を再現するだけでなく、調理ロボットの導入プロセスも大幅に簡略化し、インターネット経由で異なる店舗の調理ロボットに情報を送信して、店舗間で料理の一貫性を保つこともできる。調理補助SaaSシステムは、料理の統計や味の好みなどのデータを構築し、店舗にメニュー改善や新メニューの提案を行う。
今年後半には、西洋料理のシェフ団体で構成された国際組織「世界司厨士協会連盟(WACS)」のブランド選考において、不停科技の第3世代MAX Robotの革新的技術とトータルソリューションが評価され、同連盟のグローバルパートナーに選ばれた。
同社がこのほど、プレシリーズAで約1000万ドル(約14億円)を調達した。徳韜資本と清水湾創投が共同で出資したほか、知行研習院1号基金や既存株主の零一創投(01VC)、漢能創投(Hina Group)なども出資に加わった。今年2度目の資金調達となる。
陳CEOは次のステージとして消費者向け市場への進出を考えているという。スマート家電の消費者が育ち、住まいの最寄り店舗まで注文した生鮮食品を配達してくれるオンラインサービスが充実したことで、家庭での食事にフォーカスしたより良いソリューションが生まれることだろう。
(翻訳・畠中裕子)
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