中国・上海市、生ごみで虫を養殖 資源循環利用に

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【新華社上海11月21日】中国上海市のごみ処理施設が生ごみを餌にして虫を養殖し、肥料の原料などとして販売している。資源循環利用の新たな方式として有望視されている。

上海市最東端の長江河口近くにある老港生態環境保護基地は市最大のごみ処理施設で、毎日、市の生活ごみの半分以上が船で運び込まれ処理される。上海では2019年のごみの分別開始以降、分別処理能力が向上を続けてきた。老港生態環境保護基地では1日当たり乾燥ごみを9千トン、生ごみを2500トン処理している。

同基地で生ごみを処理するのは「バイオエネルギー再利用センター」で、生ごみを前処理し、嫌気タンク内で有機物を嫌気性発酵させ、発生したメタンガスを発電に利用している。このセンターの一角に設けられているのが、生ごみを餌にしたアメリカミズアブの養殖施設だ。

「この虫は生ごみを食べる。食欲旺盛で、成長が早く、資源化率が高い」。同基地を運営する上海城投老港基地管理の馬聡(ば・そう)計画建設センター主任は「虫そのものが優れたタンパク質で飼料用としてよく売れる。糞便も無駄にはならず、有機肥料をつくれる」と語る。

養殖場の様子をガラス越しに見ることができた。縦7列・横3列に並べられた金属製の飼育箱が22段積まれてひとまとまりになっており、孵化、給餌、運搬などのプロセスがすべて機械で行われている。卵から7日間で最良の収穫段階へと成長し、乾燥させ粉末にして出荷する。販売価格は魚粉と大豆ミールの中間だという。

生ごみを生態学的に処理するだけでなく、廃棄物の資源化でより高い価値を生み出す。馬氏は「生ごみの一部を分別して生物の飼育に利用している。1日50トンを餌として与え、10トンの虫と12トンの虫の糞を産出できる」と語った。

アメリカミズアブ養殖は試験段階にあり、規模はまだ大きくない。老港生態環境保護基地はまもなく第3期生ごみ処理プロジェクトを着工する計画で、完成後の養殖規模は1日の給餌量500トンへと拡大する。

上海城投老港基地管理の呉曰豊(ご・えつほう)副総経理によると、同基地は09年に生活ごみ焼却発電施設と付帯施設の建設を開始した。上海で産出される生活ごみは21年末までにゼロ埋め立てをほぼ実現している。

上海緑化・都市管理局生活ごみ管理処の斉玉梅(せい・ぎょくばい)副処長は「上海は生活ごみの分別の効果を引き続き高め、生活ごみ分野の資源循環利用システムをさらに深化させていく」と述べた。

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