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「深慧視科技(SMARTEYE TECH)」がレノボグループ(聯想集団)傘下のVC「聯想創投集団(Lenovo Capital and Incubator Group)」からプレシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。今回調達した資金は研究開発と市場開拓に投じられる。
深慧視は2017年に創業し、高速かつ高精度の3Dビジョン製品の研究開発と関連ソリューションの提供を手掛けるテック企業だ。同社が販売する「3Dビジョンセンサーシステム」は画像測定精度で最高10マイクロメートルに達することが可能で、フレームレートは毎秒70回に達しており、物流や工業分野での材料投入や品質検査などに幅広く応用されている。
同社の3D視覚システムは、広視野角製品と高解像度製品という2カテゴリーに分かれる。
・広視野角の「SE2シリーズ」は、計測距離が1~4mで、計測視野が75cm×50cm~300cm×250cm、Z軸の測定精度が0.5~4mmで、解像度は2048×1536 と2448×2048の二規格に対応している。また物体検出アルゴリズムやロボットのナビゲーション、測位システムが搭載されており、定位置での鋼管のピックアップ、自動車部品のピックアップ、木版表面の特徴識別、自動溶接などを可能にする。
・高精度の「SE1シリーズ」は、両眼構造の光学ソリューションを採用しており、計測距離が15cm~1mで、計測視野が80mm×60mm~700mm×500mm、Z軸の測定精度が0.01~0.5mmだ。また、自社開発の3D画像生成アルゴリズムと工場検査アルゴリズムを備え、生産現場の多くのシーンでのPCB(プリント基板)検査、3C(コンピューター、通信機器、家電製品)検査、欠陥検査などへの応用が可能だ。
2製品の機能と性能を組み合わせて深慧視が打ち出した方向性は二つあり、一つはロボットのナビゲーション、つまり3D視覚システムでロボットの動作を導くことであり、もう一つは精度の高い計測だ。
具体的には、自動車部品の生産分野において、同社のビジョンシステムにより精確な識別を行い、乱雑に積み上げられた自動車エンジンのピストンバルブを整理して配置することや、ロボットアームに装填作業をさせることも可能である。これらの機能により、従来の方法で問題点となっていた生産過程での騒音を解消することができる。また材料の損傷を効果的に回避でき、良品率を向上させられる。
注目に値する点は、既存のロボット生産ラインの改良にも用いられることだ。「当社のセンサー製品は自社開発の組み込み型アルゴリズムが備わっており、多くの従来型ロボットの制御システムと互換が可能で、顧客の二次開発のニーズを十分に満たすことができる」と同社の呂聡奕CEOは述べた。
次に紹介するのは、産業用3Dビジョンのスマートプラットフォームだ。同プラットフォームは、深慧視があらゆるシナリオで提供してきたソリューションの実データを集結させたもので、データ処理アルゴリズムとAI技術によって、各シナリオの特徴に合わせたソリューションを速やかに作成することができる。
「多くの産業用3Dビジョンを専門にする企業が、発展の過程でシナリオの転用で壁にぶつかり、展開が遅いという問題に直面している」と呂氏は語り、「当社の測定データによると、当社の新しいプラットフォームなら作業現場レイアウトにかかる時間を従来の1/4に短縮できる」と続けた。同プラットフォームは今年末に発表される予定だ。
レノボグループのシニアバイスプレジデントと聯想創投の総裁を兼任する賀志強氏は、「深慧視は、産業用3Dカメラ、画像生成のコアアルゴリズム、ソフトウェアの応用プラットフォームの分野で独自の知的財産権を持つ国内でも数少ない団体だ。当社は深慧視の将来的な発展に期待しており、スマートインターネットと産業の深い融合が社会的利益の向上につながると信じている」と語った。
(翻訳・虎野)
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