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【新華社上海11月25日】中国上海市静安区にある公益カフェ「熊爪珈琲(クマの手コーヒー)」で働く多くのバリスタたちの手首には、時折振動する黒いリストバンドが装着されている。テクノロジーによる支援で、聴覚障害のあるバリスタたちはよりスムーズに働けるようになった。
上海はもとより全国で知られている同カフェでは、店舗で働くバリスタの約7割を聴覚障害者が占めている。これまでバリスタは、レジが発する注文の受付音が聞こえないため、四六時中機器を見つめて注文状況を確認するしかなかった。しかし、店が忙しいと即座に新しい注文を確認することができず、注文の取りこぼしやコーヒーの提供遅れなどの状況が生じがちだった。
この問題の解決を助けようと、中国でフードデリバリーなどを手掛ける美団の技術者チームが今年8月初めから、リストバンドのテストを繰り返し、スマート版レジシステムのハードウエアとソフトウエアを修正して、ついに「バリアフリー注文受け付け」機能を実現させた。現在では、近距離のデバイスを結ぶ無線通信・ブルートゥースにより、注文レジシステムがリストバンドに注文受け付け状況を送信し、振動の種類でユーザーに情報を「翻訳」して「聞かせる」ことができる。例えば、1回だけ振動した場合は「新しい注文がある」ことを意味し、連続した振動なら「注文がキャンセルされたか、顧客が返金を求めているため、人手を介して処理する必要がある」という意味になる。
美団の担当者によると、同社は今後もデジタル技術を活用して、特殊な応用シーンのための革新的なソリューションを模索し、公益カフェを含む公益プロジェクトに確かな就業機会をもたらしていくという。今年7月、熊爪珈琲と美団は共同で、障害者の就業機会を増やすため、中国初の視覚障害者カフェ「種子店(シードショップ)」を立ち上げた。
中国障害者連合会の統計によると、中国の障害者総数は現在8500万人。ますます多くのテクノロジー企業が自発的に、障害のある人々がバリアフリーで働き、生活するための「グリーン通路(優先通路)」の構築に参加している。
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