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中国の電動スクーター大手「小牛電動(Niu Technologies)」の創業者・李一男氏が設立した電気自動車(EV)メーカー「火星石科技(旧・牛創新能源)」は2022年12月から、傘下のブランド「自遊家(NIUTRON)」初の車種、電動SUV(スポーツ用多目的車)「NV」の納車を開始するはずだった。
ところが12月7日、中国のSNS「微博」のNIUTRON公式アカウントに、「予定していたNVの納車ができなくなった」「入金済みの顧客には48時間以内に全額を返金する」との説明と、謝罪文が掲載された。差出人は、火星石科技傘下で車両製造を担当する「大乗汽車(Dorcen Automobile)」だった。
NVは10月8日に発表され、12月中の納車開始が決まっていた。価格は27万8800~31万8800元(約550万~630万円)。
謝罪文には「10月にNVを発表してから、2万4376人ものお客様からご支持をいただきました。しかし、都合により、予定通りにNVをお届けできなくなってしまいました。この度は、皆様のご期待を裏切る結果となりましたことを深くお詫び申し上げます」との内容が記されていた。
謝罪文では今回の納車遅延の原因について詳しく触れていない。しかし業界では、大乗汽車の経営状態の悪化が大きな原因になっていると見る向きもある。同社は12月5日時点で契約違反などで約402件の訴訟を起こされており、うち判決の出た65件についても違約金など3億9500万元(約78億円)の支払いがほとんどできていない。すでに生産ができる状態ではなく、倒産の一歩手前だとの見方もある。
「第一済経」など中国メディア各社は、NIUTRONが現在、別の受託製造企業を探していると報じている。
*22年12月7日のレート(1元=約19.7円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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