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長い年月を経て、中国はすでにサービスロボットの産業チェーン全体の布陣を完成させ、完全な産業エコシステムを有している。常態化した感染対策、急激な高齢化、技術の進歩や政策面での支援など多くの要因からサービスロボットの需要はさらに高まり、業界は急速な成長期に入った。統計によると、2021年、中国のサービスロボット関連の企業は18年と比べ296%増加し、10万社以上となった。大量の企業が参入し、サービスロボット産業発展の大きな波が起きている。
高齢化とデジタル化が後押しするサービスロボットの普及
中国の高齢化は深刻で、介護のニーズが高まっているほか、労働力不足や人件費高騰などの問題も引き起こしている。消費のアップグレードというトレンドに加え、AIやスマートでフレキシブルな関節などの技術により、ロボットは介護の現場で広く活用されている。またコストが下がるにつれて、サービスロボットはより多くの業界に取り入れられてきている。そのほか、デジタル経済がGDPに占める割合は年々上昇しており、産業のデジタル化もサービスロボットに多くの利用場面をもたらしている。中国電子信息産業発展研究院(CCID)のデータによると、中国のサービスロボット市場は2023年には751億8000万元(約1兆5000億円)に達する見込みだという。
ガイド、配送、医療、付き添いなど幅広い場面で活用
現在、サービスロボットを手掛ける大手企業は1万台規模での実用化を実現しており、一部のサービスロボットは利用場面がすでに成熟、安定している。この流れの中で、業界内の競争は単純な技術面の比較から、製品の実用化と優良なビジネスモデルの追求へと焦点が移っている。
サービスロボットはスマート化やカスタマイズのレベルが向上するに従い、利用場面が絶えず拡大している。現在、ガイド、接待、配送、消毒などの機能を持つロボットはすでに博物館、美術館、展示場、ホテル、レストラン、オフィスビル、学校、工業団地など屋内外で大規模に活用されている。同時に、付き添いや掃除など家庭向けロボットの普及率も安定して上昇している。このほか手術支援ロボットとリハビリ用ロボットは技術面でのハードルが高く、公道で無人配送を行うロボットは政策と技術面に制限があるため、実用化場面はまだ限られているが、今後の成長の可能性は大きい。
IoTで他のスマートデバイスと連携、利用場面をさらに拡充
利用場面の増加と多様化に伴い、サービスロボットはすでに単純作業を人間の代わりに行うだけの存在ではなくなっている。川下企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に深く関わったり、家庭や公共の場所ではハードウェアと繋がることでスマートホームや産業のデジタル化の一部分を担う存在となっており、社会全体のスマート化生産とライフスタイルの進化を後押ししている。サービスロボットの応用エコシステムを構築し、ロボットとその他のスマートデバイスを接続するワンストップ式のデジタル化ソリューションが普及するにつれ、サービスロボットの利用場面もますます増えていくだろう。
(翻訳・山口幸子)
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