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パナソニックはこのほど、兵庫県加東市の工場で続けてきた炊飯器の国内生産を終了すると発表した。2023年6月をめどに、中国杭州市の工場に全モデルの生産を移管する。部品メーカーが多く集まる中国に炊飯器の生産拠点を移し、生産効率と収益力を高める狙いだという。
中国では、日本の家電ブランドの炊飯器が人気を集めてきた。とくに、パナソニックは代表的な高級炊飯器ブランドとして知られている。一方、格力電器(GREE)や米家(MIJIA)、美的(Midea)など中国家電ブランドも企業努力を重ね、日本ブランドとの差を徐々に縮めてきた。
中国はすでに炊飯器の輸出大国となっている。22年1~8月の輸出台数は3474万3000台に上ったが、輸入台数は28万8000台にとどまった。輸出先上位3位は、米国、タイ、フィリピンの順で、日本も6位に入っていた。
中国の炊飯器市場は伸びている。21年の見掛け需要(生産台数+輸入台数−輸出台数)は前年比2.16%増の1億204万500台だった。一方、日本の炊飯器市場は縮小が続いている。日本電機工業会によると、21年の炊飯器の出荷台数は約500万台と、5年間で13%減少した。炊飯器需要が日本では減少し、中国では増加する中、中国に生産拠点を移すパナソニックは合理的な判断をしたと言えよう。
(36Kr Japan編集部)
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