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生鮮食品ECの「呆蘿蔔(Dailuobo)」がシリーズAで1億ドル(約107億6000万円)を調達したもようだ。同社創業者兼CEOの李陽氏に確認を求めたが、回答は無かった。
出資者には複数の名前が浮上しているが、関係者によると、リード・インベスターを既存株主の「高瓴資本(Hillhouse Capital)」、コ・インベスターを米フェイスブックなどへの投資で知られる投資ファンド「デジタル・スカイ・テクノロジーズ(DST)」が務めたという。呆蘿蔔は今回の資金調達に先立ち、プレシリーズAで高瓴資本、「晨興資本(Morningside Venture Capital)」などからも資金を調達している。
呆蘿蔔は安徽省合肥市で2016年に設立。ベンチャー投資の視点から言えば、同社には「生鮮食品購入」と「共同購入」という注目度の高い2つのキーワードがあてはまる。同社は「注文に応じた仕入れ」を行うための予約販売制を導入することで、生鮮食品の消費を切り口として人々の生活に入り込んでいる。
より具体的に説明すると、呆蘿蔔は「社区」(中国独自の地域コミュニティ、行政単位)周辺に店舗を構えており、利用者はアプリを通じて注文し、プラットフォームが一括仕入れと仕分け処理を行う。各店舗には夜間に商品が配送され、利用者は予約時間に来店し、商品を受け取る。同社のビジネスモデルにおいて、店舗が担う主な役割は注文に対する商品の受け渡し履行とブランディング(集客)だ。
呆蘿蔔はこのビジネスモデルの効果を検証した後、2018年より急速に店舗を拡大し始めた。当初は直営店と加盟店の二本立てとしていたが、2018年末には直営店に一本化している。
同社のアプリからは、現在の取扱い商品が当初の生鮮食品から家庭用品全般まで広がっていることが分かる。
生鮮食品ECを語る上で、呆蘿蔔と生鮮食品デリバリー「叮咚買菜(DingDong)」との対立は避けられない。だが、実際は両者はお互いに排除し合う関係ではない。
叮咚買菜のセールスポイントである即時配達サービスは、一級都市(特大都市)や若年層の利便性に対するニーズに応えるものであり、いわば「時間をお金で買う」ということだ。一方、三級都市(地方都市)またはそれ以下の規模の都市では、家庭における生鮮食品消費はより計画的に行われ、コストパフォーマンスと鮮度に対するニーズが高い。このため、呆蘿蔔は、叮咚買菜とは異なるローエンド市場で定着すると考えられている。
(翻訳・池田晃子)
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