QQミニプログラムがリリース WeChatと真逆の戦略は成功するか

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「QQ」は元々、中国のパソコンで人気のあったテンセント(騰訊控股)のチャットソフトである。5月31日、「小程序(ミニプログラム)」機能を実装したQQのAndroid版最新バージョンV8.0.5がリリースされた。ミニプログラムとは、ダウンロードやインストール不要で、アプリの中で利用できるアプリのこと。2017年に、テンセントWeChat(微信)に導入されて以降大きな話題を呼んでおり、今回QQはミニプログラム機能をもつ7番目のプラットフォームとなった。

QQアプリ内のミニプログラム専用ページでは「マイミニプログラム」と「QQミニゲーム」という2つのコンテンツがあり、ゲーム、教育、エンタメ、ツール、書籍の5大カテゴリに分かれている。

中国ではこの1年あまりの間に、WeChatに続き、オンライン決済の支付宝(アリペイ)、検索大手の百度(バイドゥ)、EC大手の淘宝(タオバオ)等プラットフォームが次々とミニプログラム機能を追加しており、今やミニプログラムは重要な戦略の1つとされている。今回、ミニプログラムを実装したQQはテンセントにとってどういった意味があるのか。また、他のプラットフォームとの違いは何なのだろうか。

ミニプログラムによる収益アップの期待

ミニプログラムは、チャットのみならず、ゲーム、EC、電子マネー等を網羅しているため、WeChatにとって最も重要なインフラとなっている。現在、WeChatのミニプログラムは150万人の開発者を抱え、200の分野をカバーしている。WeChatと同様に、QQもミニプログラムの開発をアプリの基礎的能力として位置付けており、ミニプログラムの開発をサードパーティデベロッパーと個人開発者に開放する予定だ。

QQの主な収益源は会費など会員サービス、広告、ゲームの3つの事業である。従来QQは、VIP会員向けにサービスのアップグレードや新規会員の増加による収入拡大を図ってきたが、現在、インフィード広告やミニプログラムの導入、ミニゲームの開発などによる収益アップを模索している。その中で、ミニゲームは収益が見込まれる分野である。WeChatがすでにその収益率の高さを証明しており、今後QQにとっても大きな収益源となることが期待される。

加速される人気タイトルの誕生

今年下半期リリース予定の「QQミニゲームセンター」はQQの三大発展戦略の一つである。ゲームの開発運営において、WeChatがトラフィック分散化の道を選んだのに対し、QQの戦略は明らかにトラフィック集中化を目指している。つまり、WeChatが開発者と平等な関係を作り、エコシステムの共同構築を目指しているのとは対照的に、QQはエコシステムの中で自らの存在感を高めようとしている。

WeChatミニプログラム向けの統計分析会社「阿拉丁(アラジン)」も、最新レポートの中で「WeChatとQQのミニプログラムに対する戦略は全く異なる」と指摘している。例えば、WeChatは独創性を重視し、オリジナルタイトルを多くサポートしているのに対し、QQは定番の人気タイトルを重視しており、膨大なトラフィックを発生させる。ユーザーやトラフィックが一定量を超えれば、収益を得ることは可能になる。

現在、WeChatやアリペイのミニプログラムは、それぞれ2億8000万人、2億3000万人というデイリーアクティブユーザー(DAU)数を誇る。テンセントのプラットフォームおよびコンテンツ事業グループ(PCG)によれば、QQの一つの機能である「QQ空間(Qzone)」のHTML5ゲーム(専用アプリ不要のスマホゲーム)の月間アクティブユーザー(MAU)は3億人に達し、上位タイトルの売り上げは1000万元(約1億6000万円)を突破したという。

開発者によると、QQの「集中化」戦略はプラットフォームにKPI(重要業績評価指標)を設定するようなもので、KPIを達成すれば自然とトラフィック増大が実現でき、順位を上げることができる。一方でWeChatの「分散化」は、市場メカニズムに完全に左右されるため、開発者自ら考えてユーザーに選ばれるようにゲームを開発しているという。今後は「分散化」が選ばれる傾向だと指摘する関係者もいる。

トラフィックの集中化には、良い面も悪い面もある。QQの戦略によって一時的には人気タイトルが生まれるだろう。しかし、長期的に見れば、オープンエコシステム構築への道を遠ざけてしまっている可能性もある。
(翻訳・桃紅柳緑)

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