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【新華社北京3月14日】英会計大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)はこのほど、「2022年中国新エネルギー業界M&A(合併・買収)市場の回顧と展望」と題するリポートを発表した。中国の新エネ業界の公開済みM&A取引額は3917億元(1元=約19円、約7兆4423億円)、取引件数は716件でともに過去最高を更新、平均取引額は前年比22%増加した。うち、取引額が100億元を超える大型M&Aは3件、取引額は合計680億元に迫り、いずれもリチウムイオン電池と太陽光発電の産業チェーンに関する案件だった。
22年のリチウムイオン電池産業チェーンにおけるM&A取引額は前年比2.3倍の2122億元、取引件数は倍増の272件だった。電池メーカーと電池材料メーカーは投資を通じて川上分野へと事業を広げた。性能向上とコスト削減に対するニーズを受け、ケイ素系負極材料や固体電池など新素材と新技術が資本市場で注目されるようになったほか、電池回収事業も大規模投資の段階に入った。
エネルギー貯蔵業界の好景気も資本市場から高い関心を集めた。22年のエネルギー貯蔵産業チェーンにおけるM&A取引額は前年比3・2倍となった。取引件数は51%増え、新エネ業界全体に占める割合は前年の6%から8%に拡大した。
水素エネルギー業界のM&A取引額は93億元だった。投資先を見ると、燃料電池システムの資金調達が依然として大多数を占めた。川上の水素製造市場は活況に沸き、大手企業の競争優位性が比較的鮮明で、新エネを活用した水素製造の先行きに期待できるとして、産業資本は大手設備企業への投資を重視した。
風力発電・太陽光発電の産業チェーンにおけるM&A取引額は497億元で前年並みだったが、取引件数は11.7%落ち込んだ。1件当たりの取引額は10億元以下が多かった。太陽光発電業界が依然としてM&Aの中心を占めたほか、風力発電のM&Aは縮小した。
PwC中国エネルギー・ユーティリティー・鉱業部門の翟黎明M&A担当パートナーによると、22年は新エネ分野の投資家と企業がコスト削減と効率向上、産業チェーンの一体化、サプライチェーンの安全確保、業種・地域をまたぐ布石など多岐にわたるテーマをめぐり、投資やM&Aを積極的に展開した。現時点の投資・M&A取引は依然として国内に集中(取引件数の95%を占める)したが、各地政府も企業の積極的な海外進出を奨励、境外(外国と中国香港・マカオ・台湾地区)との投資・取引に関する発展計画を推進していることから、越境M&A市場の回復が加速すると見られる。
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