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工業用品に特化したECプラットフォーム「震坤行(zkh.com)」が3月7日、ニューヨーク証券取引所への上場申請書を米国証券取引委員会(SEC)に提出した。ティッカーコードは「ZKH」、ゴールドマンサックスと華興資本(China Renaissance)が主幹事を務める。
目論見書では発行する株式数や価格は公表されていないものの、申請手数料算定表によると調達額は2億ドル(約270億円)と見積もられている。
震坤行は2014年に設立された。本社は上海にあり、エネルギーや建築、自動車などの業界向けにワンストップのMRO購買ソリューションを提供している。大企業向けの「震坤行(ZKH)」と中小企業向け「工邦邦(GBB)」という2つのECプラットフォームがあり、「震坤行」プラットフォームでは、同社が仕入れた商品を販売する方式とマーケットプレイス方式の両方を採用している。
2022年12月31日時点で、同社が取り扱う商品は五大カテゴリ(予備品、化学品、製造部品、消耗品、事務用品)、32の商品ラインに及び、サプライヤー2万1000社余りの商品約1730万SKUをそろえている。
目論見書によると、2022年の売上高は83億1500万元(約1630億円)、調整後純損失は6億2610万元(約122億円)だった。このうち「震坤行」プラットフォームの仕入れ販売方式による売上高は72億7700万元(約1420億円)で、売上高全体の87.5%を占めた。マーケットプレイスの販売手数料による売上高は1億8000万元(約35億円)だった。22年12月31日時点で、マーケットプレイスにはサプライヤー2400社以上が出店し、累計で約220万SKUを売り上げ、GMV(流通総額)は14億4400万元(約280億円)に達した。「工邦邦」プラットフォームの売上高は8億1000万元(約160億円)で、売上高全体の8.7%だった。
MROとはメンテナンス(Maintenance)、リペア(Repair)、オペレーション(Operations)に必要な消耗品のことだ。中国企業のデジタル化やネット購買が広がるにつれて、ワンストップ型のMRO購買のニーズも急増してきた。中国コンサル企業「灼識諮詢(CIC)」によると、中国のMRO購買サービス市場の規模は2016年の2兆747億元(約40兆6000億円)から22年には3兆41億元(約58兆8000億円)に成長しており、27年には3兆9766億元(77兆8000億円)に達するという。
中国の代表的なMRO企業には震坤行のほかに、EC大手の京東(JDドットコム)傘下の「京東工業品(JD MRO)」や「鑫方盛(XFS.com)」などがあり、いずれもこの5年間にベンチャーキャピタルからの出資を幾度も受けてきた。20年10月には、震坤行がシリーズEで3億1500万元(約62億円)を調達しており、出資者には雲鋒基金(YF Capital)、中国国有企業構造調整ファンド(China Structural Reform Fund)、鐘鼎資本(Eastern Bell Capital)、元生資本(Genesis Capital)、テンセントなどが含まれる。
震坤行はこれまで7回にわたり累計で約60億元(約1200億円)を調達しており、工業用品の分野で調達額が最も多い企業となった。
作者:WeChat公式アカウント「億邦動力」(ID:iebrun)、張睿
(翻訳・畠中裕子)
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