広告業は冬の時代に突入か?(下)

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急増するレスポンス広告

広告の形式は、主にレスポンス広告とブランディング広告の2つに分かれる。ECサイトの広告枠やサーチエンジン広告、インフィード広告などの典型的なレスポンス広告は、広告接触ユーザーから商品の購入や申込に応じて費用を計上するため、その効果を数字で判断できる。一方、ブランディング広告はイラストや動画を使ってブランドの認知度や話題性を向上させるというもので、実際の収益と直接的な関係はない。

中国経済全体が低迷する中、ECプラットフォームを中心にレスポンス広告の広告収入は増加している一方、動画プラットフォームを中心にブランディング広告収入は低迷していることがわかった。

出典:Wind

広告業界全体を見ても、ブランディング広告からレスポンス広告への移行は進んでいる。過去を振り返っても、景気後退期には直接的な効果が期待でき、その効果を数字で表せる広告が成長する傾向にある。

このほか、インフィード広告の急成長がレスポンス広告全体を押し上げている。2012年以降、インフィード広告はECサイトの広告枠やサーチエンジン広告などを圧倒する勢いで増加している。インフィード広告を多用する「字節跳動(バイトダンス)」や、その傘下の「今日頭条(Jinri Toutiao)」、「抖音(Tik Tok)」といったアプリはテンセントやWeiboのユーザーを引き付けて大量のアプリ利用時間を奪っている。中国の調査会社「Questmobile」によれば、バイトダンス系アプリの利用時間シェアは、2018年3月の8.2%から2019年3月は11.3%に増加し、アリババ系アプリを上回った。

出典:Questmobile
出典:App Growing,広発証券研究センター
出典:Alphabet ,Bloomberg,広発証券研究センター
出典:Facebook ,Bloomberg,広発証券研究センター

一方で、インフィード広告の急成長は、配信可能な広告インベントリ(広告在庫)の急増をもたらすという重要な意味も持つ。モバイルマーケティングリサーチ「App Growing」によれば、2018年1月から2019年4月までの間、大手プラットフォームが使用する広告素材量は6倍近く増えている。また、バイトダンス系の広告出稿量が占める割合は、5%未満から約30%に急伸しているという。

インターネット企業各社の2019年第1四半期の決算を見ると、広告事業への依存度が低いプラットフォームの業績は堅調な拡大を遂げていることが分かる。「広発証券」による統計も同様の結果を示している。

出典:各企業の決算報告,光大证券

大手企業の中で、広告に依存するバイドゥに比べ、ECが主力のアリババやゲームが主力のテンセントの方が高い成長率を記録している。中堅企業の中では、O2OサービスのMeituanやECが主力の京東集団が、広告を主な収益源とするWeiboを上回った。ほかの分野でも同じ傾向が見られる。

広告業界は経済動向に左右されやすい。「景気後退→需要低迷→企業の収益力低下→先行き不安視→広告予算の削減→広告市場減速」というサイクルは通常約1年かけて一巡するため、広告事業の業績は1年前のGDP成長率と強い相関性がある。2018年は中国名目GDPの成長率が鈍化したため、2019年の広告市場は2018年よりさらに悪化することが避けられないだろう。
(翻訳・桃紅柳緑)

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