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4G時代の終焉、そして5G時代の幕開けが迫りつつある。
工業情報化部のデータによると、今年5月のDOU(1人あたりの月平均モバイルデータ通信量)は前年同月比96.8%増の7.81GBだった。中国の三大通信業者がデータ通信無制限プランを開始して以降、毎月10GB以上の通信量が当たり前、あるいは使用量が全く意識されない状況となった。3G時代の経験者にとってこれは驚くべき変化だろう。
つい5年前まで、データプランは200MB、300MB、500MBというようにMB単位で設定され、プランを超過した場合は1MBあたり0.3元(約5円)の従量課金となっていた。外出先でパケットを節約するため、至る所でWiFi探し。そんな光景は多くの人々にとってまだ記憶に新しい。
2010年から2014年のDOU伸び率は毎年50%に満たないほど緩やかで、2013年に初めて100MBを突破している。当時は1カ月の使用量が数GBといえば「ヘビーユーザー」だった。DOUが1GBを超えるのはその4年後の2017年だ。
2016年から2018年には毎年DOUが倍増し、4Gネットワークは急成長期を迎える。
今年1~5月のモバイルインターネット累計データ通信量は、前年同期比114.6%増の452億GBとなった。この勢いが続けば今年のDOUは倍増し、今後数カ月で中国のネットユーザーのDOUは10GBを突破する模様。
DOUの大幅な上昇を後押ししてきたのが、スマートフォンの普及とインターネット料金の低下だ。「華米OV」と呼ばれる中国4大スマホメーカーのファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivoの台頭によりスマートフォンが急速に普及してきた。特にシャオミ、「栄耀(honor)」など主にコストパフォーマンス重視のブランドにより購入のハードルが下がったことで、スタイリッシュかつリーズナブルな携帯電話を購入する消費者が増加した。
さらに三大通信業者のデータ通信料もますます安くなっている。高額な通信料が度々批判されるなか、李克強総理が2015年に通信業者に対し料金引き下げを要求して以降、データ量繰り越し、国際ローミング無料、無制限プランなどのさまざまなサービスが打ち出された。
これらに伴い「王者栄耀」、「PUBG」などのゲームや「快手(Kwai)」、TikTokなどのショートムービーを筆頭とした各種アプリケーションも急速な発展をみせ、ユーザーは多くの時間と通信量をつぎ込むようになった。
5Gネットワークは今後数か月で正式に商用化される。チャイナモバイルの朱漢武副総経理は昨年11月、5Gネットワーク下のDOUは最低でも60GBに達すると述べている。
チャイナモバイルは6月27日に初めて5Gカードの発売を開始した。1995年以降生まれの若者をメインターゲットとし、毎月のデータ通信料は25歳以下で10元(約160円)、25歳以上で19元(約300円)という価格設定となっている。とはいえ完全な5G回線ではなく、5Gの一部のサービスや技術のみを4Gに応用したもので、若者に一足先に体験してもらうのが目的だ。
5Gネットワークでは1GBの映画がものの数秒でダウンロードできるうえ、ゲームでも高フレームレートで滑らかな動作が楽しめる。ネットショッピングの争奪戦では有利になるかもしれない。4G時代の主要なアプリケーションは5Gでアップグレードされ、5Gの普及によって新たなアプリが世に送り出される可能性もある。
通信量の数字だけをみれば、3Gは「データ困窮」時代、4Gは「データ小康」時代、そして5Gはまさに「データ大豊作」時代といえる。時代ごとに新たなアプリが誕生してより多くの通信量を消費するようになり、ユーザーもそれに見合った生活や仕事の習慣を身につけてきた。つまるところ、通信速度に対する欲望は無限大なのだ。
(翻訳・神部明果)
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