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リハビリテーション支援ロボットを開発する「傅利葉智能(Fourier Intelligence)」が、シリーズBで数千万元(約数億円)を調達した。リードインベスターは「国中創投(Guozhong Venture Capital)」、コ・インベスターは「IDG資本(IDG Capital)」、「火山石資本(Volcanics Venture)」など。同社は2015年7月の設立から今回までに四度の資金調達に成功している。顧捷CEOによると、今回の調達資金はリハビリロボット関連技術の開発、製品ラインナップの拡充、販売チャネルの構築などに充てられる。今後はリハビリロボットを切り口に、スマートリハビリエコシステム型企業への発展を目指すという。
傅利葉智能は、2016年12月に中国初となる触覚フィードバック(FFB、フォース・フィードバック)技術による上肢リハビリロボット「Fourier M2」を発売。これまでに自社開発した下肢外骨格ロボット、踝関節リハビリロボット、トレーニング用スマート電動ペダルローラーなどを一つのサービスとしてまとめ、病院やリハビリ施設、介護施設などに向けた「智能康復港(スマートリハビリポート)」ソリューションを打ち出し、プラットフォーム化に成功した。
顧捷氏によると、自社製品をパッケージ化することでスケールメリットが期待できるという。自社のコアモジュールにAI技術を盛り込み、療法士の反復作業を効率化した。さらにリハビリトレーニングを数値化することで患者にあったカスタマイズをおこない、その効率を大幅に改善。このFourier M2一台で、療法士がおこなう年間100万回の反復作業を効率化することが可能だという。このほか、医師が患者のリハビリ状況をより正確に把握するのにも役立つ。
また同社は今年、米ナショナルインスツルメンツ(NI、National Instruments)、豪メルボルン大学と共同で「EXOPS外骨格ロボット・オープンプラットフォーム」を構築し、学校や研究所向けに優良プロジェクトの事業化と臨床試験化をサポートしている。このほか、米国有数のシカゴリハビリテーションセンター、豪メルボルン大学との共同研究室を開設し、産学官連携を進めている。
現在Fourier M2は、中国CFDA(国家食品薬品監督管理局)、米FDA(アメリカ食品医薬品局)、欧州CEマーク、豪TGAなどの認証を取得。また韓国、ロシア、カナダなどの国でも承認され、事業化が進む予定。
同社は、上肢または下肢に機能障害をもつ人々および高齢者を対象としており、世界十数カ国・地域で、500カ所を超える病院とリハビリ施設などの専門機関へ製品を提供している。中国についていえば、高齢者のもつ機能障害の多くが、実はリハビリトレーニングで予防できるものだという。今後はスマート介護などの市場にも大きな可能性があると顧捷氏は強調する。
現在、スマートリハビリポート・ソリューションは既に数十カ所のリハビリセンターで導入されている。ドバイのリハビリ施設では、数十台のリハビリロボットが同時に効率よく作業し、多くの患者に向けた多様なトレーニングを提供している。少ない療法士で、十数名の患者向けに効率よくリハビリを実施することが可能になったという。
今後の計画については、スマートリハビリポートのブラッシュアップを図り、引き続きサービスを拡充していくという。また、病院のほか社会コミュニティーや一般家庭に加え海外市場も視野に入れ、多層的な市場を開拓していく。
今回出資した国中創投の投資総監を務める龐常偉氏は、投資ロジックについて次のように語る。「ロボットやAI(人工知能)の技術は更新スピードが速く、リハビリ分野での技術アップデートも必然の流れ。傅利葉智能は開発力とグローバルな視野をもった企業で、業界を深く分析し理解している。国境を超えた技術開発、中国での生産体制、世界中に広がる販売チャネルをもつ同社の潜在力は大きく、今後が期待できる」(翻訳:貴美華)
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