サービスと運営をSaaSで一元化する「Stay Please」、ホテル業の「Slack」を目指す

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サービスと運営をSaaSで一元化する「Stay Please」、ホテル業の「Slack」を目指す

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インターネットの普及によって最も早く変革がもたらされた業界は、ホテル・旅行業界だろう。宿泊や移動などの事前手配に関しては、オンライン旅行会社(OTA)を通じてワンストップでできるようになった。一方、宿泊客へのサービスや宿泊施設の運営を支援する企業も現れた。

香港企業が提供するSaaS「Stay Please」では、運営とサービスを一元化して管理できる。先日、「MindWorks Ventures(概念資本)」が主導するシリーズAで数百万ドル(約数億円)規模の資金を調達したばかりだ。

創業者兼CEOの孫偉倫(アラン・スン)氏によると、現在は多くの宿泊施設でOTAや公式サイトを通じたオンライン化が進んでいる。しかし、滞在客に対するサービスに関しては、マネジメントが旧態依然としている。レセプション、客室、メンテナンスなどの各部門が連携しておらず、各部署で別々のグループウェアやコミュニケーションツールを使っているような状態だ。

例えば、宿泊客からのリクエストに対応する際、レセプションが客室から受けた電話をコールセンターに回し、そこから各階で待機する担当スタッフに指示を回すなど、非効率的なプロセスがいまだ存在する。

そこで、StayPleaseはビジネス用コミュニケーションツール「Slack」と同様のサービスをホテル向けに開発した。各部門の連絡と連携を図るのが目的だ。

顧客サービス担当の従業員は全員、StayPleaseを通じて連絡を取り合える。タオルの補充やルームサービスなど、宿泊客のリクエスト1件ずつに対してグループチャットが立ち上がり、漏れなくフォローしていく。また、レセプションやマネジメント担当者は客室状況を随時把握し、StayPleaseを通じて各担当者へ業務を振り分けることができる。担当者はモバイルデバイスを通じて指示を受け取り、配達やルームクリーニング、チェックイン前後の客室チェックなどを行う。

ホテルのサービス人員を主に支援するStayPleaseだが、宿泊客向けにも音声アシスタントを活用したサービスを提供している。スマート化されたPBXが音声を認識するため、モーニングコールや配達などの簡単な内容に限られるが、客室内のテレビ、電話などを通じて宿泊客からのリクエストを口頭で受け付けられる。音声インターフェースのほかにも、客室内のQRコードをスキャンすれば、モバイル端末経由でサービスメニューを選択できる。メニューは多言語に対応しているため、レセプションでは対応不能な言語でも、モバイル端末を通じてリクエストを通すことができる。

さらに、既存のPMS(宿泊予約・客室管理システム)と接続できるため、バックエンドからフロントエンドまでの業務やデータの流れを一括管理できる。

保守的なホテル業界でSaaS導入を進めるには大きな壁があるが、StayPleaseはいち早く大手ホテルブランドへの導入を進めたのが強みだ。インターコンチネンタルホテルズグループ、スワイヤーホテルズ(太古酒店)、ランガム・ホスピタリティグループ、ファーイースト・ホスピタリティなどが、StayPleaseをすでに採用している。

孫CEOによると、同社はシンガポール、タイ、香港、中国などの25都市にある60のホテルと提携している。客室数にして2万室超だ。SaaSの使用料は客室数や地域に基づいて年単位で徴収しており、ほぼ100%のリピート率を達成している。

同社は2013年設立。本社を香港に構え、総従業員数は約15人だ。孫CEOはマカオのエンターテイメント業界でIT関連のプロジェクトに携わってきた人物だという。今回調達した資金は、中国、日本などの市場開拓、製品開発、PBXとSaaSとの連携強化などに充てられる。
(翻訳・愛玉)

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