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米ハーバード大学のグレアム・アリソン教授は6月22日、英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿し、太陽エネルギーの分野における中国の優位性は、米国や欧州に難しい選択を迫っているとの見方を示した。アリソン氏は、台頭する新興国と従来の覇権国との間に緊張関係が発生する「トゥキュディデスの罠」という概念を提唱したことで知られる。
アリソン氏は、太陽光発電という極めて有望な分野における中国の投資と実績は、すでに米国や欧州を大きく引き離しているため、米欧諸国は中国と協力する方法を模索する必要があると指摘している。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2023年の世界の太陽光発電への投資額は3800億ドル(約55兆円)となり、石油開発への投資額(3700億ドル、約53兆円)を初めて上回る見通しだという。
太陽光発電に用いられるソーラーパネルの生産は、中国がほぼ独占している。また、中国は世界の太陽電池の85%、太陽光発電に用いられるポリシリコンの88%、太陽電池の核となるシリコンインゴットとウエハーの97%を生産している。
太陽光パネルの生産の中心は、この10年で日本や米欧諸国から中国に移った。アリソン氏は、中国が太陽エネルギー分野で急速に力を伸ばした理由について、生産コストの低さ、規制当局の承認の迅速さ、外国との競争からの保護、比類のないサプライヤーネットワーク、急拡大する国内需要など、いくつかの要因を挙げた。
*2023年6月28日のレート(1ドル=約144円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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