中国の無人貨物機「白鯨航線」、世界最大級で低コストに

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大型無人貨物機の開発を手がける中国スタートアップ企業「白鯨航線(AirWhiteWhale)」が、真成投資(Zhencheng Capital)の主導するエンジェルラウンドで数千万元(数億~十数億円)を調達した。資金は主に大型無人貨物機の開発や設計、テストベンチ構築、機体構造強度試験などに充てられる。

白鯨航線が開発中の「W5000」は現時点で世界最大かつ最も効率的な無人貨物機だ。電子商取引(EC)の普及により、世界の物流業界には新たな発展トレンドが生まれた。特に「適時性が高く、コストが低い」ことが特長となっているため、「無人航空輸送」は現代物流を発展させる大きな力になると期待されている。

同社の創業チームは大型航空機の開発で培った経験を生かし、最大積載量5トンの大型無人貨物機を独自に開発している。中国政府が進める民間無人航空機の関連政策や一般空港整備計画などを踏まえ、市場の需要を満たし技術的に進んだ、中国製大型無人貨物機の製造を目指している。

画像:白鯨航線

W5000は最大離陸重量が約10.8トン、最大積載量が5トン、最長航続距離が2600キロメートルの物流業界向け固定翼無人航空機だ。操縦士および操縦に関連するシステム8つを排除することで機体重量を34%、価格を30%削減した。インテリジェント化された自律飛行と地上監視モードを採用し、地上にいるオペレーター1人で6~7機を監視できるため、人件費は同クラスの有人航空機に比べ10分の1にとどまる。

また、運航コストと効率にも優れている。トンキロ(貨物輸送量)当たりのコストは有人貨物機より40%以上低く、空港で着陸から次の離陸までに要する時間はわずか15分だ。2024年末までに組立を終え、25年に初飛行を予定している。

テクノロジーで輸送効率が向上し、新しい物流方式に対する需要が高まるにつれ、世界の無人貨物機産業は発展期を迎えており、国内外で無人貨物機の試験飛行が進められている。中国では豊鳥科技(Fonair UAS)などが無人貨物運航の実証実験を行い、徐々に実用化へと近づいている。海外でも米Xwingなどがセスナの機体を無人貨物機へと改造している。

白鯨航線は現在、W5000の細かい開発と設計作業中で、各サプライヤーと共同で開発・試作を進めている。同社はこれまで2年をかけて物流業界の主要な顧客の需要を調査し、顧客と共に航空機の主な仕様を決めてきた。中国の航空産業サプライチェーンをベースに独自のエコシステムを構築し、高効率で低コストな航空輸送の実現を目指している。

(翻訳・大谷晶洋)

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