中国の特別医療目的用食品（FSMP）産業の発展は出遅れたとはいえ、市場の需要は巨大で、急速に成長している。世界FSMP市場の規模は2027年に千億元（1元＝約19円）を突破する見通しで、中国市場もここ数年の平均伸び率は30％に上り、広範な健康・医療産業におけるブルーオーシャンとなっている。 　

FSMPは食事制限や消化吸収障害、新陳代謝異常、特定の疾病を抱える人々の栄養素と食事に対する特殊な需要を満たすため、特別に加工、調整した食品を指す。 国家市場監督管理総局によると、5月5日時点で48社が115品目のFSMPを登録している。多くの業界関係者は製品の数が需要に見合っていない、栄養治療率が低いといった現状により、FSMP業界の発展に対する非常に大きなニーズを生み出すと指摘する。報道によると、中国ではFSMPに対する需要のうち、少なくとも70％が満たされていないという。 　

中国のFSMP産業は成長期にあり、市場規模は年間100億元に上るものの、先進国との間には依然として大きな隔たりがある。米国では栄養不良患者の65％、英国では27％がFSMPを利用しているのに対し、中国本土は5％にも届かない。 　

市場調査会社の艾媒諮詢（iiメディアリサーチ）によると、世界FSMP市場の規模は14年の583億元から22年には896億4千万元に拡大した。27年には千億元の大台を突破し、1110億6千万元に上る見通し。 　

中国栄養保健食品協会の担当者によると、海外ではFSMPが数十年前から利用され、製品は成熟し、種類も多い。中国でも関連法規や基準の整備と業界の発展を受け、企業は力を入れ続けており、当初の模倣段階から独自技術の開発段階へと進んでいる。（新華社北京）