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斬新なデザインで注目を浴びる新興デジタル製品ブランド「Nothing」が先月、第2世代となるAndroidベースのスマホ「Phone (2)」を発表した。
Nothingは英ロンドンに本社を置くデジタル家電メーカーで、中国スマホ大手OPPO傘下の「一加(OnePlus)」の共同創業者だったカール・ペイ(裴宇)氏が2021年に設立した。
同氏によると、Nothingの設計理念は「軽量(Weightlessness)」「手軽(Effortlessness)」「時代を超越する(Timelessness)」の3つだ。同社は優れたエコシステムを構築して多くのデバイスをつなぎ合わせ、ユーザーに完璧なエコシステム体験を提供することで、アップルを打ち負かし「アップルに取って代わる」ことを目指しているという。
Nothingは2021年に最初の製品となるワイヤレスイヤホン「Ear (1)」を発売した。スペックは一般的だったが、99ドル(1万4500円)という価格と未来感あふれるスケルトンデザインで売れ行きは良かった。
第1号製品のイヤホンで成功を収めると、同社はすぐに新商品の発売に向けて準備を始めた。それはカール・ペイ氏が長らく携わってきたスマートフォンだった。
実はNothingは設立からわずか1カ月後に、スマホ用OSのAndroidの生みの親アンディ・ルービン氏が設立したスマホメーカー「Essential」を買収し、商標やロゴ、その他の知的財産を全て引き継いでいた。
それから1年間の準備期間を経て、昨年夏に初代のスマホ「Phone (1)」を発売した。
スマホのデザインが大きく変わらない中、Phone (1)の背面全体が透けるデザインは目を見張るものがあった。しかもLEDラインライトまで配置されている。
残念なことにPhone (1)にはデザイン性を除いてこれといった特長がない。「Snapdragon 778G+」のチップセット、解像度が1080Pのディスプレイ、そして339ポンド(7万3800円)からという価格で、典型的な見た目だけの製品になってしまった。
もちろんNothingはこのような立ち位置に満足せず、今年7月に第2世代のスマホ「Phone (2)」を発表した。
Phone (2)は前モデルのデザインを引き継いでいる。ディスプレイはサイズが6.55インチから6.7インチに大きくなったが、解像度が1080P、リフレッシュレートが120Hzの平面有機ELディスプレイ(OLED)のままだ。しかし、LEDライトの数は大幅に増えた。
LEDが増えたことで背面の表示機能も豊富になった。ユーザーは同社独自の「Glyph Interface」を通じて音量、カウントダウン、デリバリー状況、タクシー乗車時刻などの情報を確認できるほか、連絡先ごとに異なるライトのパターンを設定すれば着信の際に一目で相手が分かる。
もう1つの大きなセールスポイントは、市場で主流となっているスペックに追いつこうとしていることだ。チップセットは前モデルのSnapdragon 778G+ではなく「Snapdragon 8+ Gen 1」を採用した。
Phone (2)は前モデルよりパフォーマンスが80%向上したとアピールしているが、フラッグシップモデル向けの高性能チップを採用している中国製スマホには大きく差をつけられている。
ディスプレイが大きくなったPhone (2)のサイズは高さが162.1ミリ、幅が76.4ミリ、厚さが8.6ミリ、重量は201.2グラムに上る。サイズの拡大に伴ってバッテリー容量も4700mAhに増量し、有線充電は45W、ワイヤレス充電は15W、逆充電は5Wに対応可能となった。
Phone (2)は米国、英国、欧州、日本などで販売を開始した。価格はメモリ8GB+ストレージ128GBモデルが7万9800円、12GB+256GBモデルが9万9800円、12GB+512GBモデルが10万9800円となっている。
Phone (2)のスペックは前モデルに比べかなり改善されたが、まだ「評判倒れ」なレベルと言えるだろう。Phone (1)に関する口コミを見ると、製品には品質上の問題もあるようで、ディスプレイの一部が緑色になる、LEDライトが外れるといった問題が指摘されている。
競争が激しい現在のスマホ市場で、この価格と品質では優位に立つことはできない。やはり、人目をひく斬新なデザインだけでは製品の欠点をカバーしきれないようだ。
作者:雷科技(WeChat公式ID:leitech)
(翻訳・大谷晶洋)
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