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コンシューマー向けARデバイスを開発する「光粒科技(Guangli Technology)」は2017年に設立された中国のスタートアップ企業だ。光ウェーブガイド(光導波路)や光学ディスプレイ、光学材料などの技術を独自に開発してAR技術をさまざまなデバイスに活用し、メタバースを概念上のものから現実のものにしていくことを目指している。同社はこれまでにARスマートグラスやホログラム技術を導入したヘッドアップディスプレイ(HUD)などの製品をリリースしてきた。
22年7月には同じくホログラム技術を導入した水泳用ARゴーグル「Holoswim2」をクラウドファンディングサイトKickstarterでリリースした。光粒科技を創業した張卓鵬CEOによると、Holoswimは中国初の水泳用ARゴーグルであり、ホログラム方式の樹脂製ウェーブガイドを用いた世界初のARグラスでもあるという。
屋内で行うフィットネスの場合、トレッドミルやエアロバイクはディスプレイ上に走行速度や距離、心拍数などの運動データをリアルタイムで表示してくれる。これを水泳でも実現できるようにしたのが光粒科技のHoloswimシリーズだ。
Holoswimはスイマーのために設計されたARゴーグルで、ユーザーが泳いでいる最中にリアルタイムで運動データを感知し、片方のレンズに表示させるものだ。ユーザーは泳いだ時間や距離、ペースなどのデータを泳ぎながら確認し、自身の運動状態を適時調整できる。
専用のアプリ「Holoswim APP」ではこれらのデータを記録・分析して100mあたりのタイムやストロークの速度、消費カロリー、泳行距離などのデータにまとめてくれる。
Holoswimは樹脂製のため、従来のガラス製よりも安全だ。初代製品の外観は水の抵抗など外的要素が考慮されていなかったが、改良を重ね、Holoswim2では多くの問題を解決した。重さも70gにまで減らし、シリコン製のフレームもさらに顔にフィットするつくりになっている。中国国外では定価100〜200ドル(約1万5000〜2万9000円)で販売される。
現在は商品化されたホログラムのシミュレーションソフトや、生産要件に合うホログラム用フォトレジスト(感光性樹脂材料)とその生産設備が存在しないため、企業はこれらを自力で開発しなければならない。そのため、回折格子式ウェーブガイドを使うと生産コストが高くなる。この点は光粒科技が将来的にクリアしていきたい部分だ。
光粒科技の従業員は約130人で、開発人員が半分以上を占める。性能・消費電力・コストのバランスがとれた製品を目指しており、まずはARやVRが広く認知され、価格面でも受け入れてもらいやすい海外市場に参入していく計画だという。
(翻訳・山下にか)
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