新興EVメーカー「威馬」が中古新エネ車販売へ 点検体制整え残価率引き上げ狙う

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「威馬汽車(WM Motor)」は先日、中古電気自動車(EV)の点検、Eコマースプラットフォーム、公式オーバーホール認証、品質保証からなる中古車販売サービスを新たに発表した。

検査システムはオンラインとオフラインの両方で整えた。オンライン検査ではバッテリー・モーター・電子制御ユニットのAI検査モデルを利用し、温度、電圧、電流、内部抵抗など8項目の指標に関して評価・検査を行い、バッテリーの安全性や性能、寿命の評価レポートを作成する。またオフライン検査では、車枠、シャーシ、外観、内装の検査認証や路上試験などを実施し、車体の安全性をチェックする。

このオンライン検査によって、明確な基準のなかった中古車のコンディションに基準を設定する。威馬の中古車販売プラットフォームにはアプリ版とウェブ版の2種類があり、実店舗とも連携している。公式オーバーホール認証システムでは、中古車の整備とオーバーホールの全過程を実施する。また品質保証システムでは、3年落ちまたは走行距離10万キロメートルの中古車に関しては車両保証、5年落ちまたは走行距離10万キロメートルの中古車に関してはバッテリー・モーター・電子制御ユニットの保証を行う。

車両検査には統一規格が存在しないため、これまで中古車のコンディションにはばらつきがみられた。また、中古車プラットフォームの検査はサードパーティが実施するという規定も、現実には完全に実施されてこなかった。これらの理由から、中古車市場に関しては業界内外から「一筋縄ではいかない扱いにくい市場」だとの声が多く上がっている。

ガソリン車の中古販売さえ軌道には乗っていない中、ようやく普及し始めたEVに関しては言うまでもない。中国の乗用車の買い替えサイクルは一般的に4年、またEVの駆動用バッテリーの耐用年数は5~8年といわれている。つまり、2009~2013年に販売されたEVは現在段階的に「引退」時期を迎えているということだ。だが現在の中古車市場においては、EVの割合は10%にも満たない。

新エネルギー車の残価率は、車両状況がきわめて良好なモデルであっても、コンディションの近い同クラスのガソリン車と比べ25%以上も低い。中国自動車流通協会のデータによると、車齢3年のPHV(プラグインハイブリッド車)の平均残価率は45.5%前後で、純電気自動車ではわずか25%前後となっている。

残価率の低さに加え、中古EVの現時点で最大のウィークポイントは、整備・検査技術が統一されていないことであり、これがアフターサービスでの修理や部品交換の壁となっている。新エネルギー車の残価率は、主に車両基本情報、バッテリー・モーター・電子制御ユニット、補助金およびモデルによって決まる。

「車電分離」といわれる新エネルギー車の車体とバッテリーを分離独立させる管理モデル(顧客が自動車購入後、バッテリー管理会社がバッテリーの財産権を買い戻し、顧客はリース方式で使用権を保有)がまだ施行に至っていない現在、中古車販売業者はバッテリーなどに関して全くの専門外であるため、多くの業者はEVの買い取りを望まない。北京市のある中古車ディーラーは36krに対し、現時点で買取価格が最も高いのがテスラ、その次がBYD(比亜迪)のEVで、他社ブランドは「一律で下取りしない」とはっきり述べた。

この難題は、あるいはEVメーカー自身に解決を委ねるべきなのかもしれない。

第一に、自動車メーカーは自社製品の仕様や構造を熟知しており、車両整備を実施でき、残価率を引き上げることができる。さらに中古車の買い取り・販売業務を企業業務の一つに含めることで、車両の乗車期間を引き延ばすこともできる。例えば、現在の自動車メーカーの多くは自社のモビリティサービスブランドを確立しているため、一部の中古自動車をシェアリングカー、リース自動車、配車サービスなどに利用できるかもしれない。

さらに中国は現在、バッテリーの回収を奨励しているため、資質を備えたバッテリーメーカーと提携しリサイクルに取り組む方が高い収益を得られる可能性もある。

威馬は新興自動車メーカーとしての一歩はすでに踏み出しているが、中古EVに関しては今後の動向を見守りたい。
(翻訳・神部明果)

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