リアル謎解きゲームを手掛ける「奥秘之家」 ディズニーとコラボで新作を発売

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謎解き・ミステリーゲーム、リアル脱出ゲームなどを手掛ける「奥秘之家(ONESCAPE)」がこのほど、シリーズA2で4000万元(約6億円)の資金調達を完了した。ゲーム会社の「米哈游(MiHoYo)」がリードインベスター、「凡創資本(Invention Capital)」と既存株主の「引爆点資本(TIPPING POINT CAPITAL)」がコ・インベスターとなっている。2015年末のエンジェルシリーズから2018 年のシリーズA1までに、奥秘之家が調達した資金は累計数千万元(数億円)に達している。

2012年に創業した奥秘之家は、当初はオフラインの密室脱出ゲーム店を企画運営していた。しかし、密室という閉ざされた空間によるエンタテインメント効果は限定的だった。2017年から同社は実際の街を舞台にストーリーを進めていくリアル謎解きゲームを手掛け始めた。2018年には優れたIP(知的財産)と提携し、謎解きを通じて物語を体験するインタラクティブコンテンツを制作している。

2018年の下半期、奥秘之家は故宮出版社と提携して、故宮の文化財をテーマにした初のインタラクティブな謎解きゲームブック『謎宮・如意琳琅図籍』を共同制作した。38日間のクラウドファンディング期間中に12.2万冊の予約販売を受付し、2020万元(約3億円)の資金を集めた。2作目『迷宮2』も開発中で、今年下半期に発売される予定だ。

2019 年、ディズニーからライセンスを授与された奥秘之家は、5カ月の開発期間を経て、インタラクティブな謎解きゲームブック『漫威:絶密档案(Marvel: Secret Files)』を発売した。クラウドファンディングの先行予約販売では、1.79万人の支持を集め780万元(約1億2000万円)の資金を調達した。この謎解きゲームには50点近いファイルと道具があり、プレイヤーはS.H.I.E.L.D.の一員となりマーベルのヒーローたちと共に作戦を遂行し、世界の危機を救うというものだ。

《漫威:绝密档案》@奥秘之家

2019年初め、奥秘之家はテキストアドベンチャー謎解きゲームプラットフォーム「謎案館」をリリースした。このプラットフォームには、先述の謎解きゲームブック『謎宮・如意琳琅図籍』のトラフィックをオンラインで蓄積したり、謎解きゲームの創作ツールをクリエイターに提供したり、大量のオンラインユーザーの獲得を支援したりするなどの機能が実装されている。現在26万人以上のユーザーが登録しており、サードパーティーのコンテンツ創作チームもここをコンテンツツールと発表のチャネルにしている。

奥秘之家の共同創業者兼COOの陳振氏によれば、「謎案館」のプラットフォーム化をさらに進め、2019年下半期にはクリエイターに無料開放する新たな創作エディタを発表する予定だ。

今後の事業拡大について、陳振氏は主に2つの方向を示した。一つはスマホの謎解きゲームを開発すること。もう一つは来年から奥秘之家の自社IPを育てることだ。まず謎解き出版物をベースにして、徐々にアニメ、動画コンテンツ事業を強化していく。

今シリーズの資金調達におけるリードインベスターである米哈游の総裁、劉偉氏は「リアル謎解きゲームは新しい表現とインタラクションの方法であり、謎解きストーリーコンテンツも急速に成長している。奥秘之家はこの細分化した分野で先行者のアドバンテージを持っている。様々な有名IPとのコラボが彼らの開発能力を証明している。オンラインビジネスでもオフラインビジネスでも素晴らしい成長モデルを形作っている」と語っている。
(翻訳・桃紅柳緑)

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