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2016年6月末に東芝の白物家電事業を買収した中国家電大手「美的集団(Midea Group)」がこのほど2023年1〜6月期の決算を発表した。売上高は前年同期比7.84%増の1969億8800万元(約3兆9700億円)で、920億元(約1兆8500億円)をエアコン製品が占めた。純利益は182億3200万元(約3700億円)で、前年同期の159億9500万元(約3300億円)から13.98%増加した。特別損益を差し引いた純利益は176億5200万元(約3600億円)で、前年同期の156億9200万元(約3200億円)から12.49%の増加となった。
美的は1968年に設立され、現在ではスマートホーム事業やインダストリアルテクノロジー事業、ビルテクノロジー事業、ロボティクスとオートメーション事業、その他イノベーティブ事業を手がけるグローバル企業に成長した。消費者向け、法人向けの2本立てで、バラエティに富んだ製品カテゴリーとサービスを展開する。
スマートホーム事業グループでは、スマート家電、スマートホームとその関連産業やエコシステムを手がける。エンドユーザーのためのスマート化推進を担い、住まい全体のスマート化とサービス提供に力を注ぐ。
インダストリアルテクノロジー事業グループは、スマートモビリティ、産業オートメーション、グリーンエネルギー、家電用コア部品の四大分野の中核的技術を結集し、東芝をはじめ美芝(GMCC)、威霊(Welling)、合康(Hiconics)、日業(Sunye)、高創(Servotronix)、美仁(MR)、Motinovaなど多くのブランドを展開。コンプレッサー、モーター、チップ、自動車部品、電子膨張弁、コンバーター、サーボシステム、減速機、冷却部品などの精密部品を手がけ、世界中の顧客に対し、効率的でスマートな環境配慮型製品や技術ソリューションを提供している。
ビルテクノロジー事業グループでは、ビル関連の製品、サービス、関連産業を展開する。ビルデジタルサービスプラットフォーム「iBUILDING(Midea Building Digital Platform)」を中心に据え、HVAC(暖房・換気・空調)、エレベーター、エネルギー、ビル制御などを手がける。VRF(ビル用マルチエアコン)、水冷式大型冷却装置、データセンター用空調設備、エスカレーター、エレベーター、荷物用エレベーターなどの製品やビルオートメーションのソフトウェア、ビル用弱電設備の統合ソリューションなどを提供している。
ロボティクスとオートメーション事業グループは、主に次世代型工場に向けて産業用ロボット、物流用オートメーションシステムや通信システムのソリューションなどを提供するほか、医療、エンターテイメント、新消費分野のソリューションも手がける。
美的はグローバル企業として世界各国に顧客を持つ。現時点で世界に子会社約200社、R&Dセンター31カ所、主要生産拠点40カ所、従業員16万人以上を有し、200以上の国・地域で事業を展開する。うち、中国以外の十数カ国でR&Dセンター16カ所、生産拠点21カ所を有し、22通貨の決済に対応する。
グローバル戦略をより深めるため、2023年8月には香港証券取引所でのH株発行および上場について検討を始めたと発表した。監督管理機関が求める要件を満たしたうえで、株式発行規模は発行完了後の株式総額の10%以内になる見込みだ。
美的の株価(深圳A株)は8月31日の終値が56.51元(約1139円)、時価総額が3968億6900万元(約8兆円)。これをもとに計算すると、美的が香港上場で調達する資金は400億元(約8000億円)近くになる。
米経済誌フォーチュンは8月2日、2023年版「フォーチュン・グローバル500」を発表、美的は8年連続で選出され、278位にランクインした。
(翻訳・山下にか)
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