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世界のモバイルインターネット市場を見回すと、「インド」という広大なブルーオーシャンが見える。インドは中国の多くの大手IT企業が注視する市場だ。
先月25日、中国スマートフォン大手のシャオミ(Xiaomi、小米)のインド法人社長のマヌ・ジャイン(Manu Kumar Jain)氏が、TikTokの「バイトダンス(字節跳動)」の創業者、張一鳴氏とのツーショット写真をツイッターに投稿した。これは両社がインド市場開拓で協業することを示唆している。
シャオミとバイトダンスの協業は初めてではなく、中国では幾度か経験している。今年1月には、シャオミのサブブランド「Redmi」のスピンオフと、バイトダンスによる初のTikTokポップアップストア開業を、同時発表した。今年3月にはシャオミのスマートフォン「小米9」でTikTok向けの新機能を発表した。
TikTokは2017年にローンチしたアプリだ。現在、グローバルMAU(月間アクティブユーザー)は5億人、インドのMAUは1億2000万人に達している。今年4月には、インド政府はTikTokを「有害なアプリ」と認定し新規ダウンロードを禁止したが、同月中にこの禁止令を解除するや、その1週間後にはGooglePlayのダウンロード数ランキングの無料アプリ部門で1位となっている。
一方シャオミのインドでの展開はどうか。市場調査会社のストラテジー・アナリティクスの統計によると、シャオミは2019年第2四半期におけるインド市場での出荷台数が1020万台に上り、市場シェアは28.7%に達し、8四半期、つまり2年間にわたり、シェア1位をキープした。
シャオミのインド法人は2014年に設立された。2016年にサブブランドRedmiから「Note 3」を発売すると、高コストパフォーマンスが受けてあっという間にトップブランドの仲間入りを果たした。2018年には同社のスマートフォンの販売量の3分の1がインド市場向けだった。
また同社はスマートテレビでも躍進しており、2019年第1四半期にはインド市場で40%に迫るシェアを獲得した。同社の2018年の上場目論見書には、「インド」の文言が226回も登場している。
中国のスマートフォン市場が頭打ちに近づく中、インド市場は大いに成長の余地を残している。2019年第2四半期、インド市場全体の出荷台数は前年同期比で9.9%、前期比で14.8%増加した。それでいて携帯電話市場のおよそ半分をフィーチャーフォン(ガラパゴス携帯)が占めている。シャオミが成功する一方で、スマートフォンメーカーのOPPOやvivoがインド市場に参入した。加えてMicromaxなどインドのスマートフォンメーカーがある。インド市場は既に競争が激しくなっている。
こうした中、シャオミとバイトダンスはインドで歩調を合わせて市場を開拓していくだろう。つまり近い将来シャオミがTikTokの入口となり、TikTok経由でシャオミのスマホ販売ページに誘導することになる。(翻訳・愛玉)
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