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高速通信が可能な車載チップを開発するスタートアップ企業「仁芯科技(RSEMI)」が、プレシリーズA+で約1億元(約20億円)を調達した。華山資本(WestSummit Capital)、海望資本(Haiwang Capital)などが出資に参加している。
仁芯科技は2022年2月に設立され、車載チップの設計を主要事業とする。現在の従業員数は約60人だ。
スマートカー関連技術がスマートコクピットや高度ADAS(先進運転支援システム)を目指して進化していく中、カメラなどのセンサー類は日々大量のデータを生み出すようになった。データの処理には高度な演算能力を有するチップやより高容量のストレージが必要なばかりでなく、高帯域幅で低遅延、より柔軟なデータ伝送インターフェースのソリューションが必要だ。
カメラからドメインコントローラー、あるいはドメインコントローラーからモニターまでのデータ伝送は往々にして長距離、高帯域幅のリアルタイム伝送になる。そこで注目されているのが車載用SerDes(シリアライザー/デシリアライザー)チップセットだ。SerDesチップなら、テキサス・インスツルメンツやアナログ・デバイセズなどトッププレイヤーの製品以外でも一定して伝送速度2〜8Gbpsを出せる。
仁芯科技はより伝送速度の速いSerDesを目指している。今年4月に開催された上海モーターショーでは16Gbpsの車載用高性能SerDes PHYを披露した。同社によると、同製品は22nmプロセスを採用し、15メートルの長距離伝送をサポート、挿入損失の補償能力は30dBを上回り、速度とプロセスで競合企業を1〜2世代分も上回っているという。
インターフェースは、チップ1枚とワイヤーハーネス1本で800万画素の高精細カメラ2台からなるフロントカメラのソリューションをサポートできる。システムソリューションではより集積度の高いデシリアライザーを採用し、挿入損失を補償することで、自動車メーカーがより低コストのワイヤーハーネスやコネクターを選択できるようにした。仁芯科技の党偉光CEOは「自動車メーカーがシステムにかけるコストを20〜30ドル(約2900〜4400円)削減できる可能性がある」としている。
今回仁芯科技に出資した華山資本のマネージングディレクター杜波氏は、新エネルギー車のスマート化が進めば、車両データを伝送するためにより広い帯域幅が必要になり、データのやり取りもより頻繁になると指摘。高速通信が可能なSerDesのソリューションはリアルタイムの無損失伝送が可能な点で強みがあり、特に高精細画像データの伝送ではこれが顕著だ。仁芯科技は設立から1年半にわたって順調に開発を進めており、ソリューションもテープアウトした製品も多くの顧客メーカーから高評価を受けていることから、将来的には世界最速のデータ伝送を実現する車載SerDesチップを製品化できる可能性があると、杜氏が評価した。
(翻訳・山下にか)
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