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中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)が9月20日、世界のICT(情報通信技術)業界を対象とする年次イベント「HUAWEI CONNECT 2023」を開催し、同社の輪番会長とCFOを兼任する孟晩舟(サブリナ・モン)氏が基調講演を行った。
孟氏はこのインテリジェント化時代にあって、AIという歴史的な機会を逃さぬよう、ファーウェイでは「オール・インテリジェンス戦略」を打ち出していくとした。あらゆる産業のインテリジェント・トランスフォーメーション(IX)を推進していくのが目的だという。
孟氏は同戦略について、まず中国で強固なコンピューティングのバックボーンを構築できるよう力を尽くし、これを世界にとっての第2の選択肢にしていくとした。さらに、「ソフトウェア、ハードウェア、チップ、エッジ、デバイス、クラウド」によるシナジーを強化し続けて「肥沃な土壌」を育み、さまざまな産業がAIのコンピューティング能力に対して求める多様なニーズに応えられるようにしていきたいと述べた。
続いて、コンピューティングのバックボーン、AIプラットフォーム、開発者用ツールの公開を通じて、数々のAIモデルがそれぞれの強みを十分に発揮できるよう支援していきたいと表明。「あらゆる組織が独自のデータを用いて独自のAIモデルを作り上げ、産業ごとの専門知識を活用して独自の特化型AIモデルを構築できるようサポートしていく」と述べている。
最後に、インテリジェント化が実現する未来に向けて、ファーウェイは引き続きハードウェアやソフトウェアをオープンソースとし、パートナーとともに産業やエコシステム、人材のアライアンスを発展させ、活気あるコンピューティングのエコシステムを構築していくとした。
続いて、ファーウェイの常務取締役でICTインフラストラクチャー委員会会長、エンタープライズBGプレジデントを務める汪涛(デビッド・ワン)氏が登壇し、AIプロセッサー「Acsend(昇騰)」をベースとした最新コンピューティングクラスター「Atlas 900 SuperCluster」を発表した。パラメーター数1兆以上の基盤モデルのトレーニングが可能になるという。
同クラスターが採用する革新的なスーパーノードアーキテクチャーは、基盤モデルのトレーニング能力を大幅に高めた。また、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、エネルギーなどの分野におけるファーウェイの総合力を発揮することでコンポーネント、ノード、クラスター、サービスのいずれにおいてもシステムの信頼性が向上し、基盤モデルをトレーニングするうえで安定性がよりいっそう増した。
汪氏によると、ファーウェイはこれまで採用してきたスタック接続を見直し、システムアーキテクチャーを一新してAIクラスターを構築することで、コンピューティング能力・通信容量・ストレージ容量を一体化して、強力なコンピューティング能力を実現するという課題をクリアした。
汪氏はまた、産業IXを推進するための最新のリファレンスアーキテクチャーをベースに、顧客やパートナーとも協力して、金融・行政・製造・電力・鉄道など9つの産業に特化したIXのソリューションを作り上げたと発表した。今後はより多くの産業向けにソリューションを構築し、AIと各産業の融合を進めていくという。
(翻訳・山下にか)
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