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テンセントが子供向けオンライン教育サービスを提供する「VIDKID」に1億5000万ドル(約162億円)の投資を実施し、資金調達後のVIPKIDの企業価値は45億ドル(約4860億円)に上るとダウ・ジョーンズが報じた。VIPKIDが昨年中頃に開始した新たな資金調達は、紆余曲折を経てようやく完了したことになる。
同社社内ではしばらくの間、戦略責任者の葉瀾氏(Jessica)、財務総監の楊力今氏や法務総監の孫谷氏が次々と離職する事態が続いていた。VIPKIDは昨年以降、今回の資金調達のために各部門から幹部を集め専門チームを結成していたが、上記のメンバーはこのチームの中心となる人物だった。
VIPKIDは資金調達の進捗状況についてこれまで一切明らかにしてこなかった。過去の調達はおよそ1年に1回のペースで順調に実施されており、その都度大々的なアナウンスを行ってきたのとは対照的だ。
今回の資金調達の背景についてロイター社は以前「VIPKIDは5億ドル(約540億円)の調達先を探したが、その後1.5億ドル(約162億円)まで調達額を引き下げた」と報じている。関係筋も同旨の内容を36krに対して明らかにしたほか、児童向け英語個人レッスン業務を除く、K12(幼稚園年長から高校卒業までの12年間)向けオンライン英語グループ学習システム「VIP蜂校」を分割させ資金調達を行う計画についても語っていた。さらに、既存株主である「創新工場(Sinovation Ventures)」はすでに一部資金を引き上げたほか、大株主である「紅杉資本(セコイア・キャピタル・チャイナ)」は今回の調達には参加していないという。
今年中頃、テンセントの投資買収部門で共同責任者を務める林海峰氏(現在は副総裁兼ファイナンシャルテクノロジー業務の責任者)はVIPKID内部に対し、テンセントはVIPKIDの資金調達に関して前向きな期待感を抱いており、調達を主導する意向があることを伝えていた。同時に、今後は公開市場に対して真摯に向き合い、適切に市場の期待値に対処するよう提言したともいう。
大部分の業界関係者が、VIPKIDの資金調達の完了を期待していた点は注目に値する。「オンライン教育ブームの立役者であるVIPの調達が難航すれば、他の中堅オンライン教育企業の資金調達にも影響を及ぼす可能性がある」。今回の調達は、オンライン教育業界全体にとってプラスとなるだろう。
VIPKIDは創業から6年の間、資本の後押しを受け急成長を遂げており、児童向けの英語個人レッスン事業で絶対的地位を築くことに成功した。15カ月に及ぶ資金調達活動は終わったが、「2020年までに黒字化を図る」という同社の戦略目標のタイムリミットが迫っており、勝負はこれからといえるだろう。
(翻訳・神部明果)
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