「Claudeの6分の1」で攻める中国のKimi、ARR480億円突破 評価額5兆円規模へ

AIモデル「Kimi」を開発する中国のAIユニコーン企業「月之暗面(Moonshot AI)」が、評価額を200億ドル(約3兆2000億円)200億ドルとする資金調達を近く完了することが分かった。新たな資金調達にも着手しており、投資前の評価額は315億ドル(約5兆1000億円)規模に達しているという。

関係者によると、一連の交渉の中で、Kimiの最新の収益データが開示された。6月中旬時点で年間経常収益(ARR)が3億ドル(約480億円)を突破したという。この急成長を支えたのは、相次ぐモデルのアップデートに伴う開発者利用の拡大とAPI収益の増加だ。現在はAPI収益が全体の7割超を占め、その比率もなお上昇を続けている。

Kimiはここ数カ月、モデルの刷新を立て続けに実施してきた。2026年4月に公開された「K2.6」では、コンテキストウィンドウを256K(約26万トークン)まで拡張した。また、複数のAIエージェントを並列で動かす「Agent Swarm」の規模を、前モデル「K2.5」の子エージェント100体・1500ステップから、300体・4000ステップへと拡大させた。これは、Kimiの立ち位置が単なる対話型モデルから、タスクの一括処理や複数エージェントの協調動作を担う「システムレベル」のアーキテクチャへと移行したことを意味している。

GPT-5.2の「2割のコスト」で高性能、中国AIモデル「Kimi K2.5」に世界が注目

6月に公開された「K2.7 Code」は、プログラミングとエージェント用途にさらに特化したモデルだ。公式の説明によれば、長い文脈の中でも指示への追従性が高く、より高い成功率でコーディングタスクを完了できるという。また、推論にかかるトークン消費量は前モデル比で約3割削減されたとしている。

価格面では、Kimiは「オープンソース」と「高いコストパフォーマンス」の路線を引き続き重視している。K2.7 Codeの出力価格は米アンソロピック「Claude Opus 4.8」の約6分の1、米OpenAI「GPT-5.5」の約7分の1に設定されており、同種のプログラミング向けモデルの中でも明確なコスト優位性を持つという。これが、開発者による利用拡大とAPI収益の急増を押し上げる主な要因の一つとみられている。

【閉じる米国、開く中国】アンソロピックAIの利用停止、中国オープンモデルの追い風に

*1ドル=約162円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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