自動運転の清掃車が活躍、ゴミの識別もお手の物

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自動運転の清掃車が活躍、ゴミの識別もお手の物

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自動運転のなかで、実用化が最も速く進んでいるシーンの一つが、都市部の清掃車両だ。

「揚州零炭環保科技有限公司」(以下「揚州零炭」)は2018年1月に設立され、同社の主な製品は「掃地僧」という自動運転清掃車だ。クライアントに清掃会社、施設管理会社、政府機関などがある。

同社の創業者兼CEO陳碩氏は、人間を煩雑な単純労働から解放することがAIの価値だと考えている。現在全世界で約5億人が清掃業務に従事しており、中国の場合、地方の中小都市でも、年間の清掃サービスの売り上げは2億元(約30億円)に上る。このような都市が3000ほどあるため、市場規模は6000億元(約9兆円)と巨大だ。

自動運転による清掃は、他の自動運転サービスと比べ、ビジネスモデルにおいて強みを持つ。陳碩氏によれば、自動運転の主なビジネスチャンスは人間の運転手の代わりになるという点だ。タクシーや物流の自動運転は1〜2名の人間の代わりにしかなれないが、清掃車両なら8-10人の代わりになるという。また、事故の可能性を考えれば、ゴミを運ぶことのリスクは、乗客や荷物を運ぶことと比べ、大変小さい。さらに、清掃車両は全世界共通で、どの国の清掃方法もほぼ同じだ。したがって、自動運転清掃車はリースの形で海外に広めることが可能で、販売価格を数倍にまで上げることができる。

競合他社との差別化について、陳碩氏はセンサー技術を挙げる。同社は視覚のみによるAIアルゴリズムを採用し、競合他社の高価なレーザーレーダーなど多種類のセンサーを融合させたものと比較すると、高コストパフォーマンスを実現しているという。

また、自動運転におけるレーザーレーダーの使用には欠点があると陳碩氏は考える。まず、レーザーレーダーは距離しか測れず、周りにある物体が何であるかを直接認識することができない。有効距離も30mが限界だ。次に、レーザーレーダーは寿命が短く、故障した場合の修理が難しい。さらに、レーザーレーダーは毎秒5回転しかできず、フレームレートは5fpsしかない。自動運転清掃車では50fpsが必要だ。

それに対し、掃地僧は、専用カメラとビデオプロセッサ、自主開発したチップ、位置推定アルゴリズムを採用する。毎秒30兆回の計算が可能で、400枚の画像を解析できる。それに位置推定アルゴリズムを加えれば、毎秒4000近い物体の位置や距離情報を解析可能だ。

専用カメラで人やものの識別はすぐできる

また、陳碩氏によれば、現在使用されている自動運転清掃車の大半は、同一エリアにおいて同じ方法で清掃するだけだが、掃地僧はゴミの種類を識別できる。ペットボトル、ガラス瓶、可燃ごみなどを識別し、それぞれに応じた清掃をする。さらに、掃地僧は「清掃」と「回収」の2機能を兼ね備えており、別途回収車両を用意する必要がない。清掃車の内蔵貯蔵庫が満杯になるまで、約10時間の稼働が可能だという。

揚州零炭は清掃会社のエンジニアチームを買収し、従来のように清掃車両を改造するだけでなく、ハード・ソフト両面での開発を可能にした。

現在、同社の自動運転清掃車は江蘇省で3カ月の試験運営を経て、200台の受注を獲得した。年末までに200台の車両チームを立ち上げ、リースの形でサービスを提供する。

同社は、年末には次世代の清掃車を発表する予定で、リース価格は0.025元(約0.38円)/平米と設定されている。車両1台あたりの作業幅は1.5mで、時速は10kmのため、1時間あたりの清掃面積は15000平米になる。それに対し、清掃員は1時間に200平米しか清掃できず、時給は20元(約300円)で、1平米あたりの価格は0.1元(約1.5円)になる。つまり、清掃車のコストは人間を使った場合の1/4だ。

掃地僧の収益源は車両の販売、リース(作業面積で料金を計算)と広告(車両ラッピングやスピーカーを使った音声広告)だ。また、消防車、除雪車、セキュリティ、軍需産業の自動運転用にアルゴリズムを提供することも予定されている。

今後生産台数が増えれば、1台あたりのコストが大きく下がると陳碩氏は語る。生産量が1000台しかなければ1台あたりのコストは約30万元(約450万円)だが、1万台になれば約20万元(約300万円)、10万台になれば約10万元(約150万円)に下がるという。

陳碩氏は年末までに黒字化を実現できると考えており、今後5年間で、全世界で10万台の販売を目指す。

現在、同社では次シリーズの出資者を探している。(翻訳:小六)

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