栽培過程、ライブ配信で見える化。中国の農村振興、EC導入による「新農人」が推進

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中国ではここ数年、「新農人」と呼ばれる新しいタイプの農業従事者が、電子商取引(EC)や精密農業などのさまざまなイノベーションを通じ、農業の持続可能な発展の道を切り開き、収穫を高めると同時に、農村の生活の変化を人々に伝え、農村振興と美しい農村の建設を後押ししている。

山西省長治市武郷県嶺頭村に住む4人家族の魏宝玉さん(52)。かつては6~7ムー(0.5ヘクタール足らず)の土地を耕して生計を立て、年収はわずか4千元(1元=約20円)余りだった。

転機が訪れたのは2016年の冬。武郷県が全国EC導入農村総合モデル県に指定され、地元の農村EC人材育成の強化が始まり、ネットワーク環境の整備が加速した。魏さんもこの年にスマートフォンを初めて購入し、「微店」(モバイルECショップ)の経営をスタート。17年4月からは、アワの栽培過程を作付けから除草、出穂、収穫までライブ配信するようになった。

「アワがどうやってできるのかを見せることで、安心して買ってもらえるようになり、応えきれないほどの注文が来るようになった」と魏さんは語る。村では16年から環境に配慮した栽培が提唱されるようになり、魏さんも自家と村民から譲渡された約20ムー(約1.3ヘクタール)の土地で有機肥料による栽培を始めた。土地で半分でトウモロコシ、もう半分でアワを栽培している。

インターネットのおかげで、魏さんはこれまで考えもしなかったことができるようになった。すでに400~500人の顧客がつき、アワの販売先は全国10以上の省・自治区・直轄市に拡大、価格も2倍になった。

中国では「新農人」と呼ばれる魏さんのような農家が少なくない。スマホを新たな農具とし、データを新たな農業資材とし、ライブ配信という新たな農作業にいそしむ「新農人」は、デジタル技術やインターネットによる革新を通じ、伝統的な農業の変革に新たなエネルギーを注入している。(新華社太原)

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