中国消費市場、二極化がさらに進行 ハイエンド消費の役割顕著に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

新華社EXCITEのRSSに登録注目記事

中国消費市場、二極化がさらに進行 ハイエンド消費の役割顕著に

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ハイエンドなライフスタイルを専門に研究する中国の研究・コンサル機関、要客研究院はこのほど、中国消費産業を代表する企業経営者が共同で立ち上げたプラットフォーム組織「要客108中国ハイエンドブランド連盟」とともに、リポート「中国の質の高い消費報告2023」を発表した。それによると、2023年の中国消費市場は上向きと下向きが離れて二極化が進む「K字型」発展がいっそう進展し、消費市場におけるハイエンド消費の役割はますます顕著となり、「ハイエンド製品でなければ購入しない」考え方が一般的になったという。
 
リポートは、消費市場が「K字型」発展を示した最も重要な原因として、価値観のアップグレードを挙げる。ライフスタイルは消費者生活のあらゆる時間と空間で育まれ、消費者を理性的に、賢くしている。価格に敏感な一般の消費者は、ブランドやプレミアム価格に抵抗感を示し、経済的な消費に走り、同質の製品では価格の安い製品ほど好むようになる。一方、価格を気にしない富裕者層は、差別化、個別化された消費に傾き、同質の製品では価格の高い製品ほど好むようになる。これは、価格が高いことは消費リスクが低いことを示し、選択に要するコストが低いためである。この二つの価値観と認識の変化に基づく消費行動の変化は、現在と今後の中国の消費市場に深刻な影響を与え、ハイエンド化・ブランド化が進む、もしくは庶民的・大衆的になるのどちらで、中間的な選択肢が存在しなくなるという。
 
さらに、5千種類以上の中国の優れた消費財ブランドが世界的に影響力を持つ高級ブランド、ないしはラグジュアリーブランドに成長する可能性を秘めるとし、質の高い消費は外国ブランドの誘致だけでなく、中国ブランドの育成にも頼っていく必要があると指摘した。
 
23年は、ニューメディア、ブランド、オピニオンリーダーが推進する各種のライフスタイルは、95%以上の中国人の購買意思決定に影響を与え、およそ34%の新たな消費需要やオルタナティブな消費をけん引した。こうしたデータは、22年の調査結果を大きく上回った。消費は先導され、育まれるものであり、それ故に、消費財ブランドはそろって、コンテンツ運用を最も重要なマーケティング手段として重視している。
 
23年は純資産が1千万元(1元=約20円)以上の重要顧客層は453万人と、前年の470万人から3.6%減少したが、ラグジュアリーブランド消費の寄与度は2ポイント向上して84%に達し、消費への高い寄与度を示した。重要顧客層を中心とするハイエンド消費市場は今年、およそ12兆元の消費財小売総額に寄与し、中国の社会消費財小売総額に占める割合は前年比2%増の27%に拡大した。(新華社北京)

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録