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ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの中国現地法人、大衆汽車集団(中国)はこのほど、持続可能で収益が確保できるビジネスモデルに焦点を当てると明確にしたことで、2023年の中国市場での納車台数が323万6千台に上り、前年比1.6%増加したと明らかにした。うち、高級車ブランド「アウディ」の納車台数は13.5%増の72万8575台で、伸び率はハイエンド自動車市場全体の伸びを大きく上回った。純電気自動車(BEV)市場における同社の地位も大幅に高まった。23年のVWブランドとサブブランド「ジェッタ」の納車台数は0.1%増の239万8600台、BEVの納車台数は23.2%増の19万1800台だった。
新エネルギー車(NEV)の面では、VWのコンパクトEV「ID.3」とSUV(スポーツタイプ多目的車)のEV「ID.4」、アウディのEV「e-tron」シリーズの売れ行きが好調で、23年第4四半期(10~12月)には中国BEV市場のブランド別販売台数ランキングで、同社が上位5位に入った。「ID.3」は23年通年の納車台数が7万5700台を超え、中国で最も売れたEV車種の一つとなっただけでなく、ハッチバックタイプのコンパクトカー市場をリードした。「ID.4」の23年の納車台数は6万1700台を超え、販売台数でコンパクトSUV市場の上位5位に躍進した。アウディ「e-tron」シリーズの納車台数は3万1025台だった。
大衆汽車集団(中国)のラルフ・ブラントシュテッター董事長兼最高経営責任者(CEO)は「『在中国、為中国(中国で、中国のために)』戦略に基づき、中国の顧客に合わせた製品を取りそろえている。課題に満ちた市場環境の中でも、この戦略のおかげで市場をリードし続けている。向こう2年の市況は依然として厳しいとみられるが、技術力を強化し、将来の発展に向けて基礎を築いていく」と述べた。
同氏は「市場シェアがすべてではない。収益がやはり最優先事項だ。この数カ月は中国市場でのBEV製品をめぐり、常にコスト改善措置を確定、実施することで製品の競争力向上を図っている。激しい競争に直面する中、コストを度外視して成長を追求することは絶対にない。次の段階のイノベーションに焦点を当てた投資も行っていく」と明らかにした。
大衆汽車集団(中国)の販売担当副総裁を務める張嵐氏は「競争の激しい市場環境でも望ましい販売台数の増加を実現した。特に23年第4四半期(9~12月)の伸びが力強く、BEV納車台数は72.3%も増加した。これはわれわれの製品ラインナップの強力さを証明した。向こう数年も激しい競争の中で力強い勢いを維持するため、引き続き新たな細分化市場を迅速に開拓し、製品ラインナップが新たな市場動向に合致するようにするとともに、コストの構造改善を続ける必要がある。これが今後も成功を続ける鍵だ」と述べた。(新華社北京)
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