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ここ数年、中国製新エネルギー車(NEV)の欧州市場進出のニュースが絶えず聞こえてくる。オーストリア経済振興会社(ABA)の中国部門代表を務める烏姍姍氏はこのほど、取材に応じ、カーボンニュートラル(炭素中立)をなるべく早く実現するため、オーストリアは2024年も引き続き新エネ車産業の発展に力を入れるとし、中国企業が同国に投資し、発展の好機を分かち合うことを歓迎すると述べた。
烏氏は「中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)はオーストリア連邦政府の一般競争入札に参加し、EV640台を落札した。多くの自動車ブランドが地元の代理店事業者と接触を試みているところだ」とも明かした。
オーストリアではここ数年、電動モビリティーの需要が急速に増えている。23年9月30日時点の純電気自動車(BEV)のナンバープレート取得台数は前年同期比44.8%増え、新車登録台数に占めるBEVのシェアは19.1%になった。
公共充電インフラの整備も進みつつある。23年10月2日時点で公共充電設備の設置場所は2万404カ所に上った。うち、普通充電設備は1万6923カ所、急速充電設備と超急速充電設備は757カ所。23年の新規設置数は合わせて4459カ所だった。
烏氏によると、同国は40年までの炭素中立の実現に加え、30年までに供給される電力をすべて風力や太陽エネルギーなど新エネルギー電力にするとの目標を打ち出している。
自動車産業は長年にわたり、同国の基幹産業の一角を担ってきた。炭素中立目標の達成に向け、同国は産業や電力インフラ、人材などの優位性を生かして外国からの投資を積極的に呼び込み、新エネ車産業の発展を推進している。
同国には現時点で自動車関連メーカー700社余りが集まり、生産額は255億ユーロ(1ユーロ=約159円)、3万9500人分の雇用機会を提供している。研究開発費は年間10億ユーロに上り、輸出率は90.0%に迫る。
烏氏は、24年も同国の新エネ車市場には大きな潜在力があるとし、中国企業が同国で投資を活発に行い、欧州市場進出の「試験場」とするよう提言した。
実のところ、すでに多くの中国企業がオーストリア市場に進出している。烏氏は「情報技術や自動車、軌道交通、機械、環境保全技術などハイテク分野の中国企業がオーストリアのビジネス環境と科学技術イノベーションの環境に興味を示しており、関連投資も日増しに増えている」と指摘。進出した中国企業の多くが同国を中・東欧、またはドイツやフランス、スペインなど欧州諸国のより大きな市場に進出するための拠点としていると説明した。
(新華社北京)
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