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自動運転技術の開発に取り組む中国企業「毫末智行(Haomo.AI)」がこのほど、シリーズB1で成都武発基金から1億元(約20億円)以上を調達した。現在進行中のシリーズB2の資金調達も完了間近だという。21年末に実施したシリーズAでは、高瓴創投(GL Ventures)や美団(Meituan)、クアルコム・ベンチャーズなどから10億元(約210億円)近くを調達した。
毫末智行は2019年、中国自動車大手「長城汽車(Great Wall Motor)」技術センターのスマートドライビング部門が独立する形で設立された。設立から4年を経た現在、乗用車向け先進運転支援システム(ADAS)と端末物流向け配送ロボットが同社の主力事業となっている。
中国の資金調達環境の冷え込みが続くなか、自動運転業界で巨額の資金を獲得できるプロジェクトは少ない。投資家を引きつけるには、量産経験や高度な自動運転技術が不可欠となる。ファーウェイのスマートカー事業部門や、ドローン世界最大手DJI傘下のDJIオートモーティブ(大疆車載)が大きな注目を集めているのは、これらの要素を持ち合わせているからだ。
毫末智行も自動運転技術の量産を積極的に推し進めている。同社は、2025年には中国で先進運転支援システムの普及率が70%に達し、価格10万~20万元(約210万~420万円)クラスの主力車種にも搭載されるようになるとみる。
毫末智行では、それぞれの価格帯の車種に対応した運転支援機能を量産するため、2023年10月に運転支援システム「HP170」「HP370」「HP570」を発表した。最もグレードの高い「HP570」は市街地走行もフルにナビゲートでき、パーキングアシストや障害物回避、自動バレーパーキングなどの機能を備える。チップ演算能力は72TOPSと100TOPSから選択でき、車体センサーにはフロントカメラ2つ、サイドカメラ4つ、バックカメラ1つ、魚眼カメラ4つ、フロントレーダー1つ、超音波レーダー12個を標準装備、オプションでLiDARを1つ追加できる。システムの価格は8000元(約16万円)台で、将来的に100都市以上で利用できるようになるという。
毫末智行の発表では、同社の運転支援システムは2024年2月時点で20車種以上に搭載され、長城汽車傘下ブランド「WEY(魏牌)」から発売された「Blue Mountain(藍山)」や新型「Mocha(摩卡)Hi-4S」、長城汽車の「Poer Shanghai(山海炮)HEV版」などに採用されている。
現時点で同社がシステム搭載を公表している車種は、いずれも長城汽車とその傘下ブランドのものだ。このほか、完成車メーカー3社と乗用車向けシステムの提供で提携し、現在は納品を進めている。36Krが独自に得た情報によると、直近でさらに2社との協業が決まり、うち1社からは大規模受注を獲得したという。
端末物流の分野では、低速の無人配送ロボット「小魔駝」がショッピングモール・スーパー、宅配便、スマート巡回検査など9つのシナリオで運用が始まり、これまでに30万件近くの配達業務を完了した。
*2024年2月26日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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