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タイで最も大きく、最も忙しいスワンナプーム国際空港は、年間利用者数が延べ5千万人を超え、多くの観光客がタイに入国し、初めて訪れる場所となっている。空港を運営するタイ空港公社(AOT)は1月、中国自動車大手の広州汽車集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、広汽埃安新能源汽車(AION)と連携、空港のタクシーサービスに電気自動車(EV)を導入した。観光客のモビリティー体験をさらに向上させ、グリーン(環境配慮型)モビリティー空港づくりを支えている。
バンコクでタクシー業に8年従事するスチャットさんは、化石燃料車を7台保有し、1台目の電動タクシーに広汽埃安のEVを購入した。2カ月余り運転してみて満足しているとし、「電動タクシーの馬力は十分で、走り出しが速く、車内空間も大きいため、広くて快適だ」と話した。コストパフォーマンスが高く、経済的な点に最も満足しているという。「化石燃料タクシーは、1カ月の燃料費とメンテナンス費に合わせて2万バーツ(1バーツ=約4円)かかるが、電動タクシーは充電するだけで、ほとんどメンテナンス費もかからず、1カ月にコストを3分の1削減できる」と説明した。
AOTのケラティ・キジマナワット社長によると、低炭素モビリティーを奨励するタイ運輸省の方針を受け、AOTは同空港をグリーン空港のモデル、または同国初の環境に優しい空港とするため、電動タクシー切り替え計画を試行した。電動タクシーサービスの導入だけでなく、タクシーが便利で素早い充電ができるよう、空港Eエリアの長期駐車場に40キロワット充電設備16基、150キロワット充電設備2基も設置した。
タイは東南アジア地域の重要な自動車生産国であり、産業チェーンが整い、カバー範囲が広い強みを持つ。ここ数年、中国自動車メーカーのEV発売、工場建設が相次いでいる。タイ工業連盟(FTI)によると、23年の国内乗用車販売台数約40万7千台のうち、バッテリー式EV(BEV)は前年比7倍の7万3千台以上だった。タイ運輸省陸運局によると、23年に新規登録されたBEVの80%以上を中国ブランドが占めた。
広汽埃安は23年9月、バンコクで最初の海外モデルを発表、今年初めには、東部ラヨーン県の工業団地でタイ工場の建設を開始した。タイ現地法人の馬海洋(ば・かいよう)総経理は、タイにおけるEVおよび付帯設備の建設は、同国のグリーン空港構想と一致するもので、双方の提携の基礎になっていると説明。広汽埃安はすでに、タイで電動タクシー1500台以上を納車しており、電動タクシーを国内の他の空港や全土に段階的に普及させる計画とした。(新華社バンコク)
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