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中国の軽食チェーン「誇父炸串(KWAFOOD FRIED CHUAN GROUP)」が2月下旬、シリーズBで資金調達を実施したと発表した。愉悦資本(Joy Capital)、絶了基金が共同で出資を主導し、不二資本(Buer Capital)と既存株主の華映資本(Meridian Capital)が出資に参加した。愉悦資本は1万店舗を擁するカフェチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee、ラッキンコーヒー)」にも投資し、誇父炸串にも3ラウンド連続で投資している。誇父炸串はこれまでに5億元(約100億円)近くを調達し、軽食チェーンの調達額としては近年の最高額を記録した。
誇父炸串は2018年に設立された。創業者の袁澤陸氏は過去に中国検索エンジン大手の百度(バイドゥ)でプロダクトマネージャーを務め、中国のファーストフードチェーン「西少爺肉夾饃」の共同創業者でもある。誇父炸串は創業から5年間で2000店以上出店し、19年からは米国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、イタリアなど海外にも30店近く出店している。
若者に特に人気の軽食のなかで、近年主流になっているのが串揚げだ。袁氏によると、創業当初は四川省楽山市の名物にヒントを得て串揚げを提供したが、2020年以降は新商品を模索して串焼きを始め、昨年からは鶏の唐揚げ串を始めた。
誇父炸串が今年発売した人気商品の鶏の唐揚げ串は、衣をつけて揚げた海外のフライドチキンとは少し異なり、あらかじめ調味液に漬け込んだ鶏もも肉を素揚げしたものだ。この商品は発売から2カ月で671万本を売り上げ、店舗の売上高は平均27%増加したという。
誇父炸串は外食チェーンのなかでも早くからデジタルトランスフォーメーションに取り組んできた。袁氏はIT企業で働いていた経験を生かし、2021年からデジタルトランスフォーメーションを模索し始め、一連の運営システムを開発した。新規出店場所について調べるシステムでは、1万以上のデータラベルを活用し、ビルの中でのお勧めの階やテイクアウト1人あたりの注文量の予想、周辺の競合品、投資回収期間の予測、周囲の既存店舗の売り上げ状況などを自動で表示する。現在の予想的中率は90%に達するという。袁氏は、デジタル化は「アジャイル開発(素早く開発する)」ことを原則にしていて、バージョンの更新は1週間以内に集中して行っていると話す。
誇父炸串は今年さらなる拡大を進める計画で、新たに3000店舗を出店し、2026年には店舗数1万店を目標にしている。一線都市や新一線都市など大都市の店舗をさらに増やすほか、地方都市でも有力候補となる地域を厳選する予定だ。現在一線都市、新一線都市と地方都市の店舗数の比率は約6:4だ。
誇父炸串は価格を3つのグレードに分けて商品開発をし、さまざまな販売チャネルに合わせて提供できるようにしている。2023年には店舗の建設費を削減するプロジェクトを実施し、施工費用を約30%下げることに成功した。誇父炸串の店舗はショッピングモール内店舗、路面店のほか住宅地や学校、オフィス街、観光地、食堂内を含む7タイプで展開しており、店舗タイプやシーンに合わせて商品や動線を調整している。
また、誇父炸串は「3億元(約60億円)加盟店プラン」をスタートさせた。誇父炸串が加盟店に1億元(約20億円)以上の補助金を提供し、ブランドマーケティングに2億元(約40億円)以上を投じる計画だという。
*2024年3月30日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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