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中国化粧品市場の冷え込みやローカルブランドの台頭、福島第一原発処理水の海洋放出の影響などで、日本の化粧品メーカーは中国事業の落ち込みに直面している。
化粧品大手コーセーは4月19日、アリババグループが運営する電子商取引(EC)サイト「天猫(Tmall)」の公式旗艦店を閉鎖する。事業戦略の調整を図るためだという。公式旗艦店の告知は3月21日付となっている。公式旗艦店は14年以上にわたって運営され、フォロワー数は88万5000人に達していた。
コーセーは1946年に設立された老舗化粧品メーカーで、中国市場参入は88年と早く、中国進出を果たした海外化粧品企業の第1陣に名を連ねた。傘下にコスメデコルテや雪肌精、プレディア、インフィニティ、ワンバイコーセーなどのブランドを抱えている。天猫旗艦店では、インフィニティやワンバイコーセーなどの商品に加え、化粧くずれを防止する「メイクキープミスト」などを取り扱っていた。
コーセーはここ数年来、中国市場で事業戦略のずれや遅れを経験してきた。2017年には、現地生産子会社を売却して中国での化粧品生産から撤退し、改めて「メード・イン・ジャパン」を前面に打ち出す方針を決定した。しかし、その後は中国市場をより深く理解する国産ブランドが台頭し、23年には福島第一原発処理水の海洋放出の影響で危機的状況に直面した。また、ECサイトでのオンライン販売を開始したのは14年と早かったが、中国市場ではオンライン販売に重点を置かず、百貨店など実店舗での販売を中心としていたために遅れをとっていた。
(36Kr Japan編集部)
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