中国LiDAR大手のロボセンス、200ドル以下に抑える新製品を発表 低価格車への搭載狙う

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中国のLiDAR大手「速騰聚創(RoboSense、ロボセンス)」は4月15日、コストパフォーマンスを前面に打ち出した最新の中・長距離検出用LiDAR「MX」を発表した。ロボセンスによると、MXはすでに3つのプロジェクトで量産車の指定部品として受注を獲得し、最初のプロジェクトでは2025年前半の量産開始が予定されている。

ロボセンスの邱純潮CEOは、製品発表会で「最初の量産プロジェクトでは、MXのコストを200ドル(約3万円)以下に抑える。今後1~2年で歩留まり率が高まり、サプライチェーンの協力も得られるようになれば、最終的に1000元(約2万円)ほどに固定できるだろう」と語った。

先進運転支援システム(ADAS)は、LiDARや米NVIDIAの自動運転用チップ「Orin」などのハードウエアを必要とするため、基本的に20万元(約420万円)以上の車種にしか搭載できない。もっと低い価格帯への導入を考える場合、真っ先に省かれるのがLiDARだ。

ファーウェイが4月に再リリースしたEVセダン「智界S7 Pro」は、LiDARを搭載せず、カメラのみの検知システムを採用した。中国新興メーカーの小鵬(Xpeng)や蔚来(NIO)のサブブランドでもLiDARを廃する動きが伝えられている。

業界のこうした流れを受けて、LiDAR開発企業も価格競争へと向かいつつある。ロボセンスが今回発表したMXは、まさに20万元以下の自動車市場をターゲットにしたものだ。

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MXは厚さわずか25mm。ロボセンスの既存品より体積が40%、厚みは44%減少した。コンパクトなため、フロントガラスの裏側やルーフ、ヘッドライト、フロントグリルなどにも設置できる。測定距離は最長200メートルで、視野角は120°×25°、消費電力も10W以下とかなり低い。さらにMEMSチップのおかげで機械的な振動ノイズがなく、作動音も気にならない程度だという。ロボセンスはこれを足がかりに15万元(約320万円)クラスの市場にも参入したい考えだ。

ロボセンスがこれまで主力としていたLiDAR「M1」は価格が680ドル(約11万円)、アップグレード版の「M1 Plus」と「M2」でも500ドル(約8万円)はする。どうやってMXの価格を200ドル以下に抑えるのだろうか。

LiDARはスキャン、レーザーの送受信、データ処理という3つのサブシステムから構成されるが、MXではそれぞれをチップ化することでコスト削減を図った。

MXの目玉と言えるデータ処理装置には、ロボセンスが独自に開発した専用SoC(システム・オン・チップ)「M-Core」を採用している。開発には、3年余りで1億元(約20億円)以上が投じられた。

また、従来のMシリーズと同じMEMSスキャニングチップを使用しているほか、レーザー送受信システム用チップをアップグレードし、5つだった送受信モジュールを1つにまとめた。スキャン、レーザー送受信、データ処理の全てにおいて改良が進められた結果、MXのプリント基板はM1 Plusより69%減少し、マザーボードの面積は50%、光学部品の数は80%削減された。

さらに、建設中の製造拠点が2024年7~9月期に操業を始める予定で、25年1~3月期にはMXの量産と車両への搭載が実現する見込みだという。

24年2月末時点で、同社は世界の自動車メーカーやティア1サプライヤー22社の63車種で受注を獲得しており、3月末までに販売したMシリーズLiDARは40万台を超えた。

*2024年4月25日のレート(1ドル=約155円、1元=約21円)で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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