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AI創作プラットフォーム「捏ta」を運営する中国のスタートアップ企業「看見概念智能科技」がこのほど、エンジェルラウンドとプレシリーズAで総額1000万元(約2億円)以上を調達した。源碼資本(Source Code Capital)や奇績創壇(MiraclePlus)などが参加した。資金はAIモデルの最適化やマルチモーダル機能の強化などにあてられるという。
看見概念は2022年12月に設立された。同社が運営する捏taは、キャラクターを基にAIが架空のストーリーを創作する、サブカルコンテンツ生成コミュニティだ。独自に開発したマルチモーダルAIを使って「原神」など人気IPのキャラクターの調整が可能なほか、個人が創作したキャラクターにライフシミュレーションゲーム「ザ・シムズ」のような想像上の生活を送らせるなど、愛好家の二次創作需要を満たすコンテンツ生成ツールを提供する。
2023年4月にSNSアプリ「WeChat(微信)」でミニプログラムを公開すると、SNSでの露出回数は2億5000万回を超え、動画投稿アカウント「WeChat視頻号」のアニメゲームのデイリーランキングで何度も上位に食い込んだ。
これはプロモーションをせずに達成したもので、「ピーク時には、ユーザーの1日当たり平均利用時間が40分になった。プラットフォームでは主にAIがキャラクターのテキストや画像コンテンツを生成し、字幕やセリフを加えることもできる。作品の平均消費量とインタラクション率はAIプラットフォームの中でトップだ」と胡CEOが紹介する。
胡CEOはこれを、製品が市場に受け入れられているか否かの検証の第一歩と捉えている。開発チームは、AIGC(AI生成コンテンツ)技術の発展がもたらした最大の変化は、画像制作の材料がピクセルやレイヤーからプロンプトや自然言語のような形をとる画像コンセプトになったことだと考えている。
しかし技術発展の初期段階で考慮しなくてはならないのは、限られた技術の範囲で、いかにユーザーの創作需要を満たすかだ。胡CEOは、ほとんどの生成AIによる画像生成サービスは1度だけに限定されており、キャラクターものの創作や育成を望むユーザーにとって十分ではないと考えた。
「キャラクターはストーリーを展開するうえで重要な要素になるのに、1度きりのAI画像生成では、生成された画像から新たな使い方を創り出すのはとても難しい」と語る。米国の画像・小説生成AI「Novel AI」とは異なり、捏taはツールであるだけではなく、ユーザーの交流の場となるプラットフォーム型コミュニティでありたいと考えている。
捏taがリリースされた頃、中国に同じような製品はほとんどなく、そのおかげで急速にユーザーを集めることができたと胡CEOは話す。
二次元愛好家のストーリー創作に対するニーズに基づき、開発チームは100万点以上の高品質なイラストを含むアニメ画像の訓練用データセットを作り、二次元ビジュアルストーリーを生成するAIモデルを独自に開発した。
胡CEOの紹介によると、同社のAIモデルはMidjourneyなどの画像生成AIと比べ、キャラクターや構図、動作や表情、ファッションやメイク道具などストーリーを表現する要素の生成能力を強化し、キャラクターの一致性を高められるため、ストーリーの前半と後半で画風が異なるといったことがない。
胡CEOは、消費者向けのAIで最も重要なのは使用時間を長くすることであり、「使用時間を伸ばすことがコンテンツの消費性の基本」と考えている。同氏がかつて所属していた米フェイスブック(現在のメタ)での経験に基づくと、トップクラスのSNSアプリではユーザーの1日当たりの使用時間は60分以上になる。リリースされたばかりの製品でも、少なくとも20~30分必要だ。このため、開発チームはこれから新たなアプリを公開、使用感を向上させるとともに、複数キャラクター、マルチモーダルのストーリーを複数人にシェアできる機能を提供する。
※2024年4月24日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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