中国UBTECHの人型ロボット、VWの自動車工場で稼働 ボルト締めや部品搬送で活躍

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スマート製造の代表的な分野である自動車製造は、人型ロボットの大規模活用を試みる場の1つとなっている。

人型ロボットを開発する中国の「優必選科技(UBTECH Robotics)」は7月1日、中国自動車大手の中国第一汽車集団と独フォルクスワーゲン(VW)との合弁会社「一汽大衆(FAW-VW)」と提携したと発表した。

一汽大衆は、UBTECHの人型ロボット活用の場として国が指定する「スマート製造モデル工場」の生産ラインを開放し、同社の工業分野向け人型ロボット「Walker S」を導入する。Walker Sはボルト締め、部品取り付け、部品搬送などの工程に携わるという。一汽大衆のスマート製造モデル工場は山東省青島市にあり、1日あたりの生産台数は最大1400台余り、平均54秒ごとに完成車が1台がラインオフする計算になる。

UBTECHは、研究開発にリソースを投入し、工業の現場で人型ロボットと関連ソリューションの最適化や技術改良を進め、工場の無人化レベルを引き上げる。同社は一汽大衆と共同で、高度にスマート化されたフレキシブルな生産ラインを構築し、完成車工場の無人化を推進する。

Walker Sはすでに、電気自動車(EV)メーカー「蔚来汽車(NIO)」の第2先進生産拠点の組立工場のほか、自動車大手の東風汽車(Dongfeng Motor)」の子会社「東風柳州汽車(Dongfeng Liuzhou Motor)」の組立工場などに導入され、実地訓練が行われている。Walker Sは完成した車両のドアロックやライトカバー、シートベルトなどの品質検査をするだけでなく、車のエンブレムを高い精度でスムーズに取り付けることもできる。

Walker Sは、高性能サーボモーターを搭載した41個の関節を搭載。複数の視覚・音声・距離センサーを備え、カメラを利用した位置計測、視覚情報と手元の操作の同期、歩行制御、歩行ルートの計画なども自律的に行える。導入コストは4万~5万ドル(約650万~810万)となっている。

UBTECHは一汽大衆など自動車メーカとの協業を通じ、Walker Sの検証と活用を進めていく。今後は工業のさまざまな場面の実際のデータをリアルタイムで収集し、Walker Sの自律学習に役立てる方針だという。

*1ドル=約162円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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